2月の行事、由来、草花、誕生石

日本では2月を「如月（きさらぎ）」と呼びます。

この名称の由来には諸説ありますが、「衣更着（きさらぎ）」が転じたものという説が有力です。寒さが厳しいこの時期に衣をさらに重ねて着ることから、この名がついたとされています。
また、他にも「梅見月（うめみづき）」といった異名があり、春の訪れを感じさせる名称が用いられることもあります。

「梅見月」は、2月に梅の花が咲き始めることに由来しています。冬の寒さの中でも梅は力強く花を咲かせるため、春の訪れを象徴する花とされています。

「雪解月（ゆきげづき）」は春の兆しを表す旧暦2月の雅称です。蕗の薹や雪解け水などの情景とともに、和歌や俳句にも詠まれ、日本の季節を大切にする文化を映し出しています。

旧暦の2月は、現在の3月頃にあたり、梅や桃の花が咲くころでした。そのため、寒さを感じつつも春の息吹を感じさせる和名がいくつも存在しています。

二十四節気（にじゅうしせっき）とは、太陽の動きを基準に一年を24の節目に分けた暦のことで、中国から伝わり日本でも広く使われてきました。

二十四節気によって季節の移り変わりをより細かく知ることができ、農作業や日常生活の目安とされてきたとされています。各節気は約15日ごとに区切られ、主に季節の移り変わりを示します。

二十四節気では、2月には「立春（りっしゅん）」と「雨水（うすい）」の二つの節気が含まれます。

■立春（2月4日頃）
暦の上で春の始まりを告げる日とされています。この日から寒さが和らぎ、少しずつ春の気配が感じられるようになります。また、旧暦では立春を新年の始まりとする考え方もあり、立春の前日である節分には邪気払いとして豆まきが行われます。

■雨水（2月19日頃）
雪が雨へと変わり、大地が潤い始める時期です。この頃から徐々に気温が上がり、積もっていた雪が解け始めるため、農耕の準備を始める目安とされてきました。特に農業においては、種まきや田畑の整備を始めるのに適した時期とされ、「雨水に農を始めると良い」とも言われます。

2月に見頃を迎える草花には、以下のようなものがあります。

■梅（うめ）
寒さの中で咲く美しい花で、「春の訪れ」を象徴します。紅梅や白梅などさまざまな品種があります。

■福寿草（ふくじゅそう）
黄金色の花を咲かせる植物で、「幸せ」と「長寿」を象徴するとされます。

■椿（つばき）
冬から春にかけて咲く花で、日本庭園によく見られます。
梅や椿は、春の桜と並びお花見イベントの見どころの一つとなっており、各地の梅園には2月から多くの人が訪れます。

また、和装や食器などのモチーフとしても多く採用されるのも、梅や椿の特徴です。

2月にはさまざまな伝統行事やイベントがあります。
節分（2月3日頃）：豆まきを行い、邪気を払い福を招く行事です。恵方巻を食べる習慣も広まっています。

■バレンタインデー（2月14日）
チョコレートを贈る習慣が定着しており、友人や家族、恋人へのプレゼント選びが楽しいイベントです。

■建国記念の日（2月11日）
日本の建国を祝う祝日で、各地で関連イベントが行われます。
バレンタインデーのギフトや節分用の豆なども通販で購入可能です。

2月には「建国記念の日」と「天皇誕生日」という祝日があります。

■建国記念の日（2月11日）
日本の建国を祝う日で、初代天皇・神武天皇が即位したとされる日を基に制定されました。国の成り立ちを振り返り、愛国心を育む祝日です。

■天皇誕生日（2月23日）
現在の天皇陛下（徳仁天皇）の誕生日を祝う国民の祝日です。天皇陛下の健康と長寿を願い、皇居では一般参賀が行われます。

2月の誕生石は「アメジスト」です。

■アメジスト（紫水晶）
深い紫色が特徴で、「誠実」「平和」「高貴」などの意味を持つとされています。アクセサリーとして人気があり、プレゼントにも最適です。

2月は、草花や行事を通じて冬から春への移ろいを楽しめる特別な季節です。
梅やチューリップなどの花々、アメジストのアクセサリー、節分やバレンタインデーといったイベントが、2月の暮らしをより豊かにしてくれます。
特別なひとときを演出するヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。