更新日: 2024年10月09日

激レア撮影&体験乗車イベント開催も!クモユニ143とは?

JR東日本の訓練施設で第二の人生を歩んでいる訓練用車両のひとつに「クモユニ143(143系)」という車両があります。この記事では、この激レアな車両にスポットを当て、現在の活躍ぶりと、過去に行われたイベントをご紹介します!

JR東日本総合訓練センターとは?

JR東日本総合訓練センターと訓練用209系車両
▲JR東日本総合訓練センターと訓練用209系車両
埼玉県さいたま市にある「JR東日本総合訓練センター」とは、JR社員が異常時の対応等を学ぶための訓練施設の一つで、実際の車両やシミュレーターを使用して日々訓練を行っています。JR東日本にはこのような施設が数箇所あります。

「クモユニ143」(143系)とは?

クモユニ143-3とJR社員
▲訓練センターの「クモユニ143-3」と手旗で合図をするJR社員
「クモユニ143」(143系)は、国鉄時代に製造され、今なお現存している歴史ある車両です。
郵便室と荷物室を備えた特殊装備の室内のほか、運転台も左手で主幹制御器(マスコン)、右手でブレーキ弁ハンドルを操作する「ツーハンドル式」となっており、 圧力計や速度計などのアナログメーターや表示灯がならぶ、昔ながらの装置を備えています。
2018年からはJR東日本の社員向け訓練施設、東京・大宮総合訓練センターに配置され、乗務員や駅社員などの訓練で活躍しています。

クモユニ143は2024年1月に塗り替え作業を行いました

クモユニ143-3の塗り替え前
▲クモユニ143-3も経年に伴い塗装のひび割れなどの劣化が起きてしまいました
クモユニ143は、2018年8月に長野県から回送され、訓練施設での使用が始まりました。回送直後はきれいだった車体も、お客さまを乗せて毎日運転されている営業用の車両とはメンテナンスのルールが異なるのも相まって、時間の経過とともにだんだん艶がなくなってしまい、更には、塗装のひび割れたところから水が入って錆が発生し、塗装が膨らんだりひび割れたりしてしまいました。
そこで、2024年の1月から2月にかけて、車体の塗装を塗り替える作業が行われました。
塗り替えにあたって、ひび割れてしまった車体の上から塗料を塗るだけでは、きれいには仕上がりません。まずは、浮き上がってしまった古い塗装をはがし、パテ埋めをした後、やすりがけをすることで凹凸をなくして塗り直しました。
クモユニ143-3塗装作業中のすがた
▲再塗装前にパテで埋め、やすりがけをして凹凸を丁寧になくします
鉄道模型がお好きで塗装をされている方ならご存知かと思いますが、実際のクモユニ143でも鉄道模型と同じような工程で作業し、きれいに塗り直すことができました。
クモユニ143-3とクモヤ143-21
▲写真右側の訓練車「クモヤ143-21」は老朽化に伴い現在は解体され、現存しません。
「クモヤ143-21」も、晩年は塗装の剥がれなどの痛みが目立ちました。
クモユニ143-3塗装塗り直し後の車体文字
▲車体の塗装ののちに文字入れも再度実施しました
検査表記や車体表記の文字フォントなども、できるだけオリジナルに近い姿を目指し、おなじみの色に塗り分けて、きれいな姿に生まれ変わりました。

「クモユニ143満喫プラン」体験イベント

「クモユニ満喫プラン」過去の体験イベントの様子①
▲過去に行われたイベントにおける、撮影会コーナーの様子です。光の当たり方や影が掛からないかなどにもこだわっています。
JRE MALL体験型商品である「クモユニ143満喫プラン」という体験イベントは、この総合訓練センターにて活躍するクモユニ143-3をメインにしたイベントで、2023年に2回開催されました。
クモユニ143が大好きなJR社員が企画を立ち上げ、「自分がお客さまとして買いたい商品を創る!」と、こだわりを持って創りあげた、単独での撮影や運転台&車内見学、体験乗車などが満喫できる魅力たっぷりのイベントです。
「クモユニ満喫プラン」過去の体験イベントの様子②
▲車両に搭載された機器などもご説明させていただきました
これまで行われた「クモユニ143満喫プラン」では、車両の見学、撮影の他にサウンドショーも行われ、パンタグラフの上昇下降やコンプレッサー、ブロアーモーター音、気笛など、最近の車両とは異なる「国鉄時代の車両」ならではの音を聴くことができるコーナーを設けるなど、ただの撮影会ではなく「満喫プラン」の名に恥じないような商品となっています!
もちろん、撮影会コーナーにおいては、写真撮影が趣味のJR社員が積極的に意見を出し、太陽光の光線状態や構造物の映り込みや影などに関しても、停止場所の微調整を重ねるなど、できる限りベストな環境で撮影いただけるよう心掛けています!
おかげさまで、ご参加のお客さまに実施したアンケートでは、名前や価格に恥じないような、高い評価をいただきました。
クモユニ143-3運転台イメージ
▲メーターが並ぶ運転台もじっくりとご覧いただきました

クモユニ143は今でも訓練施設で活躍!

クモユニ143こと143系車両は、埼玉県さいたま市のJR東日本の訓練施設で第二の人生を歩み、毎日の鉄道の安全を支える一員として、今でも活躍しています!
このような訓練施設はJR東日本の各地に数箇所あり、それぞれの場所でさまざまな車両が同様に活躍しています。もしかしたら、意外と近くでも活躍しているかもしれませんね♪
訓練施設や車両センターなどで特別な体験ができるJR東日本ならではの商品は、JRE MALLチケットで発売しています。どのイベントも一期一会ですので、ぜひともお見逃しなく!
JR東日本の訓練車に関する鉄道イベントはコチラからチェック!
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