更新日: 2024年03月01日

鉄道古物の真岡鐵道C1266ナンバープレートをオークションで販売|真岡鐵道担当者インタビュー

真岡鐵道(栃木県真岡市台町)では、観光列車「SLもおか」を牽引する蒸気機関車(SL)「C1266号」が、2023年11月末を以て製造から90年(卒寿)を迎えたことを記念し、いくつかの関連企画を実施しています。
今回その一環として、復元し同機関車に装着している「製造当時に装着していたナンバープレート(形式入りナンバープレート)」を、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)が展開するショッピングサイト《JRE MALL》にて、オークション形式で販売します。
真岡鐵道の担当者に今回販売するナンバープレートの製作の経緯と、魅力について取材してきました。

真岡鐵道 C1266ナンバープレートの鉄道古物オークションをJRE MALLで開催決定!

ナンバープレートを装着しているC1266とは?

真岡鐵道C1266イメージ
▲ 真岡鐵道C1266イメージ
【JRE MALL担当 鴨田】
今回、真岡鐵道のC1266に装着されているナンバープレート3点を、2024年3月にJRE MALLのオークションで販売することになりました。このC1266の歴史について教えて下さい。

【真岡鐵道 竹前さん】
SLもおかの牽引機として活躍するC1266は、旧国鉄時代に製造されたC12形蒸気機関車の66号機として、1933年に山口県で製造されました。
鹿児島や釜石、弘前、上諏訪などで活躍し、1972年に廃車になるまでの総走行距離は172万kmに及びます。約40年という長い現役生活に終止符を打った同機は、福島県川俣町のふもとがわ団地の片隅で静かに展示されていました。
その後、1991年にSL復活を目指す芳賀地区広域行政事務組合へ譲渡され、1993年に動態復活。『川俣号』と命名され、1994年より真岡鐵道真岡線でSLもおかを牽引しています。

【JRE MALL担当 鴨田】
北は釜石、南は鹿児島とあちこちで活躍した機関車なんですね。

蒸気機関車の整備や運転の苦労

C1266の機関室に並ぶ機器類
▲ C1266の機関室に並ぶ機器類
【JRE MALL担当 鴨田】
1933年の製造から90年を迎えたC1266ですが、整備や運転での苦労などございますでしょうか。

【真岡鐵道 竹前さん】
やはり、車両部品の不具合が発生した際には、代替えとなる部品を国鉄時代に製造されたSLの部品と交換することが多く、部品の数にも限りがありますので、整備には大変苦労してるとSL検修の社員からは聞いております。
C1266 火室への投炭の様子
▲ C1266 火室への投炭の様子
【JRE MALL担当 鴨田】
夏は機関室内が暑くなるかと思いますが、機関士さんの運転や機関助士さんの石炭の投炭も大変ではないでしょうか?

【真岡鐵道 竹前さん】
蒸気機関車の運転は気動車と違ってアナログに操縦することも多いほか、夏は大変熱い機関室での運転になりますので、90年の老体である機関車に気を配りつつ、体力も使う車両であると運転する社員からは聞いております。

製造から90年 形式入りナンバープレート製作の経緯

C1266 形式入りナンバープレート
▲ C1266 形式入りナンバープレート
【JRE MALL担当 鴨田】
1933年の製造から90年を迎えたC1266ですが、今回の形式入りナンバープレートの製造装着に至った経緯について教えて下さい。

【真岡鐵道 竹前さん】
C1266は1933年に製造され、2023年に製造90周年の節目を迎え、また2024年には「SLもおか号」運行開始30周年を迎えます。このことから、真岡鐵道では、さまざまな記念企画を展開してきました。

記念企画はいくつかありますが、
・第一弾『C1266に黒色の煙室戸ハンドル装備』
・第二弾『DLとの重連運転』
と開催し、第三弾として『形式入りナンバープレート』の企画を行いました。

【JRE MALL担当 鴨田】
この形式入りナンバープレートはいつ頃、装着されていたものなんでしょうか。

【真岡鐵道 竹前さん】
形式入りナンバープレートは、1933年にC1266が製造され、おそらく1938年の規程変更から第二次大戦中の金属供出で多くの金属が失われた1944年頃まで装着されていたと思われます。
蒸気機関車の中で、国鉄時代の現役末期までこの形式入りナンバープレートを装着していた車両は少なかった為、この形式入りナンバープレートを装着していた蒸気機関車は、鉄道ファンの中でも注目されていたそうです。

形式入りナンバープレートの製造

C1266 形式入りナンバープレートアップ
▲ C1266 形式入りナンバープレートアップ
【JRE MALL担当 鴨田】
今回のナンバープレートはどうやって製造されたのでしょうか。

【真岡鐵道 竹前さん】
今回のナンバープレートの製作にあたり、蒸気機関車 EX 編集部さまに依頼し、鋳造は北辰工業所(富山県高岡市)さまに施工いただいたうえで、蒸気機関車 EX 編集部さまに仕上げ作業を行っていただきました。

サイズが大きいナンバープレートの装着

C1266 形式入りナンバープレートの装着
▲ C1266 形式入りナンバープレートの装着
【JRE MALL担当 鴨田】
形式入りのナンバープレートは、通常のナンバープレートと比較しサイズが大きいと思いますが、どのように機関車に装着されているのでしょうか。

【真岡鐵道 竹前さん】
通常のナンバープレートと比べて縦のサイズが長いため、機関車側の取付脚とナンバープレートの取付穴と位置が合いません。今回は、社員自ら帯金材から製作したアダプターを介して、形式入りナンバープレートを取り付けました。

【JRE MALL担当 鴨田】
自らアダプターを製作するとは、技術力がすごいですね。

落札者へのナンバープレートの引き渡し方法は?

引き渡し会場となるSL検修庫
▲ 引き渡し会場となるSL検修庫
【JRE MALL担当 鴨田】
落札されたお客さまには、2024年3月17日(日)夕方のSLもおか号運行後に引き渡しを行うとのことですが、どのようなかたちで引き渡しを行うのでしょうか。

【真岡鐵道 竹前さん】
今回落札されたお客さまには、特別にSL検修庫にてナンバープレートの引き渡し行います。
普段入ることができないSL検修庫に入ることができますので、特別な体験になるのではと思います。

【JRE MALL 鴨田】
これまで、JRE MALLで販売を行った鉄道古物は、配送することが多いですが、検修庫での引き渡しは貴重ですね!

【真岡鐵道 竹前さん】
そうですね。せっかくの機会ですので、SL検修庫での引き渡しからご自宅に飾っていただくまで楽しんでいただければと思い、企画致しました。

【JRE MALL担当 鴨田】
引き渡し当日の注意点はありますか?

【真岡鐵道 竹前さん】
SL検修庫は、床面に車両の検査で使用した油等が付着していますので、落札されたお客さまは引き渡し当日は、油で汚れても良い服装、動いやすい靴を履いたうえでお越しいただければと思います。

C1266 形式入りナンバープレートの魅力は?

SL検修庫で運転に備えるC1266
▲ SL検修庫で運転に備えるC1266
【JRE MALL担当 鴨田】
今回のC1266 形式入りナンバープレートの魅力を鉄道ファンの皆さまにお伝えするとしたら、何でしょうか?

【真岡鐵道 竹前さん】
C1266が歩んできた90年の歴史を十分に感じていただけるナンバープレートになっていると思います。皆さまの入札をお待ちしております。
真岡鐵道竹前さん、JRE MALL担当鴨田 写真
▲ 写真左:真岡鐵道竹前さん、写真右:JRE MALL担当 鴨田
【JRE MALL担当 鴨田】
今回は、インタビューのご協力ありがとうございました。更なるC1266の活躍を楽しみにしております!

【真岡鐵道 竹前さん】
こちらこそ、ありがとうございました!

ご自宅でC1266の歴史を感じてみませんか?

C1266 形式入りナンバープレートを装着し発車する様子
▲ 形式入りナンバープレートを装着たC1266が発車する様子
今回、真岡鐵道の竹前さんとJRE MALL担当者のインタビューを通して、JRE MALLの鉄道古物オークションで販売される C1266 形式入りナンバープレートの魅力についてご紹介致しました。
記事内でありました【真岡鐵道 C1266 形式入りナンバープレート】の案内表示サインのオークションは、3月2日(土)10時~3月10日(日)22時まで開催予定です!
オークションで購入の権利を勝ち取って、自宅の部屋で製造から90年を迎えたC1266の雰囲気を感じてみませんか?
<オークション情報>
① 商品名
・真岡鐵道 C1266 形式入りナンバープレート(機関車正面)
・真岡鐵道 C1266 形式入りナンバープレート(機関士側)
・真岡鐵道 C1266 形式入りナンバープレート(機関助士側)
② 開始価格
193,300円
③ 開催期間
2024年3月2日(土)10時~3月10日(日)22時
JRE MALL オークションサイトはこちら
真岡鐵道オンラインショップJRE MALL店はこちら

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