コスプレ文化が街を変える――いわき湯本に広がる“好き”の輪

福島県いわき市の湯本温泉街。この地に、いま“コスプレ文化”という新たな風が吹いています。その中心にいるのが、老舗旅館「こいと旅館」の若旦那・宗像達應（むなかた たつおう）さん。
「旅館の雰囲気が素敵だから、コスプレ撮影に使いたい」――そんな一言から始まった宗像さんの挑戦です。
こいと旅館の館内には、和室や洋室、レトロな廊下や中庭など、コスプレ撮影にぴったりのロケーションが点在。宗像さんは、更衣室の提供や撮影ルールの整備を進め、旅館を“コスプレスタジオ”として開放しました。
その結果、SNSや口コミで評判が広がり、今では全国からコスプレイヤーが訪れる“知る人ぞ知る聖地”として知られるようになっています。

旅館こいとの取り組みは、旅館の枠を超えて地域全体へと広がっています。
地元の飲食店や商店街と連携し、「コスプレ歓迎」の店舗マップを作成。
また、撮影可能な神社や公園、廃墟風の建物なども紹介し、コスプレイヤーが街全体を舞台に楽しめる環境を整えています。
さらに、地元住民向けに「コスプレ文化を知る講座」や「初心者向けの体験イベント」も開催。
コスプレに対する理解と親しみを育むことで、地域とコスプレイヤーの共存・共創を実現しています。

コスプレ文化の広がりを背景に、JR東日本いわき駅では、2025年12月20日（土）にコスプレイベント「『電コス』～The Real Station Studio～」を開催します。
このイベントでは、いわき駅のホーム、さらには停車中の列車内までもが1日限りの“リアルスタジオ”に変身します。
コスプレイヤーが一堂に会し、日常の空間で非日常の撮影や交流を楽しむことができます。
「電コス」は、鉄道とコスプレという異なる文化を融合させた新しい試み。
駅という公共空間を活用することで、コスプレ文化の社会的な認知と理解の促進にもつながっています。

コスプレは、自己表現の手段であり、同じ趣味を持つ人々がつながるコミュニケーションの場でもあります。
いわき市・湯本温泉では、そんなコスプレ文化を地域の魅力として受け入れ、育て、発信する取り組みが進んでいます。
あなたも“好き”をきっかけに、いわきの街を訪れてみませんか？
温泉で癒やされ、コスプレで自分を表現し、地域の人々とふれあう――そんな特別な体験が、ここにはあります。

いわき駅や湯本駅へ向かうなら、常磐線の特急列車が便利です。
さらに、常磐線の特急列車のご利用には、在来線チケットレス特急券サービスがおすすめです！
スマホひとつで予約から乗車まで完結できるので、紙の切符を受け取る手間もありません。
特急券は「えきねっと」で予約、乗車券は「モバイルSuica」で乗車、この組み合わせで、いわきへの旅をもっとスマートに楽しみましょう。