石巻川開き祭りとは？灯籠流しに花火大会…川と共に生きる祭りのすべて

石巻に流れる北上川を改修し、産業と人々の暮らしの発展に力を注いだ仙台藩士「川村孫兵衛重吉(かわむらまごべえしげよし)」の功績に報恩感謝し、北上川を中心に鎮魂と復興への祈りを捧げる祭りが「石巻川開き祭り」です。
夏祭りならではのエネルギッシュなイベントをはじめ、供養祭や川施餓鬼供養祭など厳粛な祭典もとり行われます。陸上の行事だけでなく、水上では孫兵衛船競漕のレース開催または花火大会などさまざまな楽しみ方があります。

【石巻川開き祭り 陸上行事】
日時：2025年8月1日(金)～3日(日)
会場：石巻市 中心市街地

現在の山口県萩市で生まれ育った川村は土木や治水の知識に長けており、才能を見い出され、仙台藩主伊達正宗の家臣となりました。
その後、仙台城下の水不足、水害防止の改善を図るために、北上川の流れを変えることを思いつき、北上川水運を発展させると共に農耕と運搬の活性化に尽力しました。
その川村孫兵衛重吉の功績を讃え、感謝の気持ちを込めて催されるのが石巻川開き祭りです。
この祭りには、川で命を落とした人々や東日本大震災犠牲者の鎮魂の意味も込められています。

石巻川開き祭りでは毎年、紹介しきれないほど多くの催し物が行われるのですが、特にはずせない代表的なメインイベントとして下記の3つが挙げられます。

・花火大会
・孫兵衛船競漕
・大漁踊り

それぞれについて解説するので、石巻川開き祭りに参加する際の参考にしてみてください。

東北地方最大級の大河、北上川(石巻大橋下流)を舞台とする石巻川開き祭りで、最大級のイベントとなるのが花火大会です。
大玉100連発や開くと直径約280メートルにもなる尺玉、音楽に合わせて打ち上げられるミュージックスターマインなど、身も心も震える珠玉の花火が夏の夜空を彩ります。

【中瀬花火大会】
日時：2025年8月3日(日)19：45～※2日(土)から順延
打上場所：中瀬公園
花火師： ㈱芳賀火工・㈱佐藤煙火・㈲若松煙火製造所・㈲大橋商店
花火大会の観覧場(有料)：《観覧場所》石巻かわまちオープンパーク(中瀬向かい中央側堤防上)

孫兵衛船競漕とは、祭りの中心人物である川村孫兵衛重吉の名前を冠した水上行事です。北上川を愛する石巻の人々により、1975年から開催されています。
レースには12人乗りの一般競漕と、女性だけで参加できる8人乗りのミニ競漕があります。
この日のために1年間練習を積んできた猛者たちが、色鮮やかなユニフォームで船に乗り込み、強風や荒波にも負けじと息を合わせてオールを漕ぐ勇ましい姿に胸が熱くなります。

【石巻川開き祭り 孫兵衛船競漕】
実施日：2025年8月2日(土)予選レース、8月3日(日)決勝レース
場所：北上川(石巻大橋の下流側)
コース：550m

本来の大漁踊りには、漁師が大漁を祈願するという意味合いがあります。石巻川開き祭りで観覧できるのは、『大漁唄い込み』という曲に合わせて地元市民が踊る、地域に根付いた踊りです。
祭りの最終日、中心街で開催されるパレードの最後を締めくくる大漁踊りには、毎年多くの市民が参加。漁師が網を引く動作が印象的な大漁踊りは必見です。

開催日時：2025年8月3日(日)18：00～

供養祭や慰霊祭から幕を開ける石巻川開き祭りは、多種多彩なイベントが目白押しの行事です。
祭り初日の夕方は北上川上流での灯籠流し。およそ4,000個の灯籠が夜の川面を優しく照らします。
他にも、石巻市内中心部ではカーニバルやチアダンス、よさこい等のパフォーマンスが見られたり、小学生による鼓笛隊パレード、大人たちによる神輿なども行われます。
特設会場が設けられる交流広場では歌やダンスのステージが行われるので、野外ライブの気分も満喫できるでしょう。

他にも下記のイベントが開催されています。
・フリーマーケット
・大綱引き大会
・お化け屋敷
・宮城の名産ホヤや牡蠣をはじめとした露店

石巻川開き祭りのメイン会場となる北上川へのアクセスは、以下のとおりです。
電車：JR石巻駅から徒歩15分
車：三陸道石巻南ICから東へ約10分（当日は会場周辺で交通規制あり）

2023年の来場者数の累計は27万6,000人でした。とても人気の高い石巻川開き祭りだけに、開催期間中は駐車場の確保が困難なので、できるだけ電車などの交通機関を利用する方法をおすすめします。