再び市街地に戻った岩倉さん。以前から手にしてみたかったという南部鉄瓶との対面を果たした。古くから良質な鉄や川砂、木炭の産地として栄えてきた盛岡が誇る伝統工芸の鉄鋳物だ。
「いままで機会がなくて使ったことはないのですが、海外でも人気が高く、昔ながらの黒い鉄瓶や急須、鉄鍋だけでなく、さまざまな色やデザインの製品が作られていると聞きました。現代のライフスタイルに合わせて、いまも進化を続けている伝統工芸品ってすごいですよね。どんな風に使われているのか、興味が湧きました」
更新日: 2024年11月20日
vol2.〉南部鉄瓶にクラフトビール。イーハトーブの名産品との出会い
盛岡の豊かな風土の中で生まれ、世界中で愛されている工芸品・南部鉄瓶。そして、ふるさと納税の返礼品でも人気のクラフトビール。この土地で生み出されたものだからこそ、実際に触れることでより強く名産品たちの良さを実感することができる。写真家の岩倉しおりさんが、名産品たちとの出会いの瞬間を写真に収めた。
どの国のどの文化の生活にもなじむ、南部鉄瓶のあたたかさ
南部鉄瓶との出会いを求めて選んだお店は、「お茶とてつびんengawa(えんがわ)」。「丁寧を育む、てつびん生活」というコンセプトのもと、南部鉄器ブランド〈kanakeno(かなけの)〉が運営するショップ&カフェには、南部鉄器の魅力とお茶の楽しみを直に体験できる空間が広がっている。
入り口近くには洋室のカフェスペースと鉄瓶ショップ、その奥には和室が連なる。和室のさらに奥に広がるのは縁側。そう、店名にもなっている日本家屋ならではの板敷きの通路だ。
この店では注文をすると、鉄瓶で淹れた白湯がウエルカムドリンクとして提供される。白湯を口にした岩倉さんからこんな感想が漏れた。
「美味しい。鉄瓶の硬質な見た目からは想像もつかないほどまろやかで、体に染み通っていくみたい。engawaさんの和の空間で味わうのがまた、いいですね。時間がゆったり流れていく気がします」
この店では注文をすると、鉄瓶で淹れた白湯がウエルカムドリンクとして提供される。白湯を口にした岩倉さんからこんな感想が漏れた。
「美味しい。鉄瓶の硬質な見た目からは想像もつかないほどまろやかで、体に染み通っていくみたい。engawaさんの和の空間で味わうのがまた、いいですね。時間がゆったり流れていく気がします」
カフェでは盛岡市内の店で焙煎された豆を使用し、鉄瓶で沸かした白湯で淹れたコーヒーをはじめとしたドリンクや、自家製スコーンやチーズケーキなどのスイーツを楽しめる。店内には、若手職人が全工程に携わって完成させた「あかいりんご」を始め、スタイリッシュな新感覚の鉄瓶も並んでいる。
engawaには、「伝統工芸に留まらない形で現代の生活に寄り添った価値を新しく創出したい」という店主やスタッフの静かで強いパッションが満ちていた。
engawaには、「伝統工芸に留まらない形で現代の生活に寄り添った価値を新しく創出したい」という店主やスタッフの静かで強いパッションが満ちていた。
どっしりと構える、市民に愛される道具店
次に岩倉さんが向かったのは、昭和初期の建物をリノベーションした店が次々とオープンしている紺屋町。のんびりと散策していた岩倉さんは、黒壁が印象的な〈茣蓙九・森九商店(ござく・もりくしょうてん)〉に目を奪われた。
目立つ看板はないものの、町屋建築の低い軒先にはほうきや亀の子たわし、竹細工のかごやざる、かんじき等が並んでおり、そのどっしりとした店構えは街中で存在感を放っている。
「ここは何の店?」
そんな疑問を思わず口にした岩倉さん。どれも昔懐かしい、けれどいまも変わらず、日常生活で使われている竹細工と生活雑貨を扱う同店は、いわゆる「荒物屋」といえばいいのだろうか。聞けば、創業は文化13年(1816年)。歩き売りから始まったという、老舗中の老舗である。
「ここは何の店?」
そんな疑問を思わず口にした岩倉さん。どれも昔懐かしい、けれどいまも変わらず、日常生活で使われている竹細工と生活雑貨を扱う同店は、いわゆる「荒物屋」といえばいいのだろうか。聞けば、創業は文化13年(1816年)。歩き売りから始まったという、老舗中の老舗である。
丁寧に編み込まれたかごを手にした岩倉さん。すっかり茣蓙九が取り揃えた生活雑貨の虜になったようだ。
「雑貨はもちろんですが、古くから続く商家のたたずまいも素敵ですね」
「雑貨はもちろんですが、古くから続く商家のたたずまいも素敵ですね」
店は江戸時代末期から明治にかけて改修を重ね、現在の姿になったとか。「く」の字を描いて曲がる、ゆるやかなカーブに沿うように建てられた同店は、常連客には「ござ九さん」と親しまれ、店で扱う手仕事の道具は盛岡の人々の日々の暮らしを堅実に支えてきた。本当に豊かな暮らしとは、こうした道具がある毎日なのかもしれない。
ビール片手にきらめく夜景を一望
盛岡旅行をどんな風に締めくくろうか。そう考えた岩倉さんがこの日最後に訪れたのが、岩山公園に設けられている〈岩山展望台(いわやまてんぼうだい)〉。駐車場から少し奥の場所には、円盤のようなユニークな形をした鹿島精一記念展望台が建てられている。
標高340.5mの岩山を正面にのぞみ、市内一円や北上川を見渡すことができるこの展望台は、杜と水の都・盛岡を一望できるスポット。天気が良ければ、岩手山や駒ケ岳など街を囲む山々もくっきりとその勇姿を現す。
心地よい風に吹かれながら岩倉さんはゆったりと時間を過ごし、空のグラデーションの変化を楽しんだ。取り出したのは盛岡の有名なクラフトビール「ベアレンビール」。広がる空と同じ青のガラスの瓶が、景色に溶け込む。
心地よい風に吹かれながら岩倉さんはゆったりと時間を過ごし、空のグラデーションの変化を楽しんだ。取り出したのは盛岡の有名なクラフトビール「ベアレンビール」。広がる空と同じ青のガラスの瓶が、景色に溶け込む。
太陽が沈んで夕焼け空が広がり、マジックアワーが訪れ、夜の帳が下りていく展望台。見下ろせば、そこには煌びやかなパノラマの夜景が広がっていた。「日本夜景遺産」や「夜景100選」に選出されている理由を実感できた瞬間となった。
「夕日が沈む光景、日が暮れて夜に包まれた光景。そのどちらも魅力的でした」
「夕日が沈む光景、日が暮れて夜に包まれた光景。そのどちらも魅力的でした」
展望台から美しい山々のシルエットが楽しめるのは、盛岡の空気が澄んでいるからだろう。盛岡のピュアな自然が、岩山展望台の魅力をよりロマンチックに演出していた。
ふるさと納税で行く列車旅はここがおトク!
ポイント3:お買い物でJRE POINTが貯まる!
旅先でお買い物をする際にビューカードを利用することで、JRE POINTが貯まります。
また、JRE POINT加盟店ではさらにおトクに貯まります。
ポイント4:鉄道利用でもJRE POINTが貯まる!
さらに、JR東日本の鉄道で移動する際に、登録済みのSuicaを利用することによってJRE POINTが貯まります。
旅先でお買い物をする際にビューカードを利用することで、JRE POINTが貯まります。
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さらに、JR東日本の鉄道で移動する際に、登録済みのSuicaを利用することによってJRE POINTが貯まります。
【インフォメーション】
・お茶とてつびん engawa
住所:岩手県盛岡市中ノ橋通1-5-2 唐たけし寫場1F
お問い合わせ:019-656-1089
・茣蓙九・森九商店
住所:岩手県盛岡市紺屋町1-31
お問い合わせ:019-622-7129
・岩山展望台
住所:岩手県盛岡市新庄字岩山52
お問い合わせ:019-639-9057(盛岡市都市整備部公園みどり課)
※掲載情報は2023年10月31日時点の情報です。
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