更新日: 2024年01月16日

蘇る!懐かしい485系「華」の音!485系「華」に携わった社員と振り返る

国鉄時代から全国各地で特急電車として活躍した485系。
近年までジョイフルトレインとして改造された車両のみが活躍していました。老朽化により2022年11月に惜しまれつつも引退した485系「華」の音プレゼントキャンペーンが10月27日(金)まで開催中です。今回は、485系「華」の検査修繕に携わった社員とともに、485系「華」の軌跡を振り返ります。

485系「華」のデビュー前の姿は?

写真は、別車両の485系
485系「華」は、改造前はジョイフルトレインの姿ではなく、特急電車として1967年に製造され、東北や上越地方で活躍していた車両でした。東北新幹線開業前の東北本線や、上越地方の連絡特急として活躍しました。

お座敷列車「華」としてデビュー

車内は畳と掘りごたつがあり、団体旅行の利用が好評でした
特急電車として活躍した後、床下機器などを再利用し改造したお座敷列車「華」として、1997年にデビューしました。
車内は畳敷きに掘りごたつの装いと、談話室も設置され、団体列車を中心に運行されました。もともとの特急型電車の姿は想像できないですね。

お座敷列車として大活躍
平日は団体列車、週末は臨時列車として各地を駆け抜け、多くの思い出づくりの立役者として活躍したのではないでしょうか。

5感で行う485系「華」の検査

小山車両センターで検査中の485系「華」
平日は団体列車、週末は臨時列車と連日のように活躍する485系「華」。
安全・快適な車両をお客さまに提供をする為に車両の検査修繕を行っているのが車両センターです。485系「華」は、デビュー後から2015年春まで小山車両センターに所属し、日々検査などが行われていました。

485系「華」は、もともとは1967年に製造された特急型電車で、近年は交換部品の調達や機器の修繕に苦労することが多い車両でした。検査の際には、空気が通る配管から漏気していないか耳で確かめ、豪雪地帯を走る為に床下機器のヒーターがきちんと温まっているか肌で感じ、豪雪地帯から帰ってきた時は床下廻りの雪を落としながら、念入りに点検作業を行いました。

厳しい指導の先にある安全快適な車両

試運転の為に水戸線の下館駅までやってきた485系「華」
近年の新型車両のブレーキは電気指令式といって、マスコンのハンドル操作から直接電気信号でブレーキがかかる仕組みですが、485系などの古い車両はブレーキ弁ハンドルでブレーキの空気管の圧力を自分で調整してブレーキをかけるかたちとなっています。

日々の行う検査(自動車の車検が相当)では、電気指令式のブレーキの新型車両の検査することが多いが若手社員にとっては、3か月に一度行う485系「華」の交番検査は難しい車両でした。485系「華」のブレーキの検査した際に、うまくブレーキ弁ハンドル操作を行うことができず、国鉄時代からのブレーキ弁ハンドルの操作経験が豊富なベテラン社員の方から厳しく指導されたのはいい思い出です。


3か月に一度行われる交番検査ですが、当時検査を行っていた小山車両センターの架線は直流電化であるため、交流電化区間で動作する機器の確認や交直切替時の動作ができませんでした。2日間の交番検査実施後、3日目に小金井駅から交流電化区間である水戸線下館駅までの試運転を実施し、交直切替の動作状況や交流電化区間で動作する機器の確認を行っていました。

2日間の交番検査で厳しく指導下さったベテラン社員と方と試運転に添乗し、トラブルもなく走行し試運転を終えた際にベテラン社員の方から「よかったな」と声をかけられた際には、ホッとした気持ちになりました。

厳しい指導の先には、安全で快適な車両をお客さまに提供する使命があるのだと改めて感じた瞬間でもありました。

高崎車両センターへ転属

小山車両センターから高崎車両センターに転属後、高崎車両センターで休む485系「華」
2015年春。485系「華」は、小山車両センターから高崎車両センターへ転属となり、小山車両センターで交番検査を行うことが無くなりました。ベテラン社員に厳しく指導され検査方法を5感で覚えた車両に触れなくなることが寂しく感じましたが、新天地での活躍を祈念した瞬間でもありました。

485系「華」と7年ぶりの再会

485系「華」が小山車両センターを去った数年後、私もJRE MALL担当へ異動し、JRE MALLでの鉄道デジタルコンテンツ音プレゼントキャンペーンを担当することになりました。

2022年8月某日。
485系「華」の音収録を行う為に高崎車両センターを訪問しました。

7年ぶりに再会した485系「華」に「久しぶり、元気だったか?」と心の中で声をかけました。
485系「華」に乗り込む為に高崎車両センターの構内を歩いていると、旧信越本線横川駅~軽井沢駅間で使用されていたラックレールを活用した側溝の蓋がありました。旧高崎鉄道管理局(現高崎支社)の地を訪れたと感じる風景ですね。

7年ぶりに触れる485系「華」の車体 蘇る音

485系「華」のブレーキ弁ハンドル
485系「華」に乗り込み、音の収録をスタート。
7年ぶりに操作するブレーキ弁ハンドルは、ベテラン社員の方から厳しく指導されていた時と思い出して懐かしく感じ、なぜだか485系「華」が優しく感じました。

交直流電車特有のABB切入の操作や、なかなか聞くことができなくなった485系のトイレの流水音など、たっぷりと収録作業を行いました。

入換の音についても、収録の為に高崎車両センターに入換作業を依頼し、収録を行いました。
発車前の警笛、ブレーキが緩む音、レールの軋み音がたまりません。

収録後の2022年11月に485系「華」は高崎車両センターから郡山総合車両センターに回送され、廃車解体されました。

東日本エリアを特急電車、そしてお座敷電車として駆け抜け、たくさんの人々の思い出を作った485系「華」に「お疲れ様でした」と声をかけてあげたいと思います。


廃車となり姿を消した485系「華」ですが、この収録した音を手元で楽しめることを考えると、ワクワクが止まらないですね。

ぜひ、鉄道ファンの皆さんに思い出深く、あの懐かしい485系「華」の音を楽しんでいただければと思います。

485系「華」の音をゲットするためには?

出典:https://www.jreastmall.com/shop/e/edigicon/
485系「華」の音をゲットするためには、
①JRE MALLに会員登録
②キャンペーンエントリー
③対象期間にJRE MALLにログインした状態で30,000円(税込)以上の購入
が必要です。

詳しくは、485系「華」の音 プレゼントキャンペーンサイトをご確認下さい。
485系「華」の音 プレゼントキャンペーンサイトはこちら

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