更新日: 2025年09月10日

PeerCross 2周年感謝祭|ワーキングマザーを支える“Peerな共感”とは?

JR東日本が提供するワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス「PeerCross(ピアクロス)」は、2023年7月のサービス提供開始から2周年を迎えました。
本記事では、その「PeerCross 2周年感謝祭」の様子をレポートします!

JR東日本が提供するワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス「PeerCross(ピアクロス)」は、2023年7月のサービス提供開始から2周年を迎えました。これを記念し、2025年7月22日に「PeerCross 2周年感謝祭」を開催。リアル会場とオンラインをあわせて、約90名の方々にご参加いただきました。
参加者からは、「前向きなモチベーションを得られた」との声が多く寄せられました。

【当日のプログラム】
●JR東日本 マーケティング本部 PeerCross起案者 小西 好美 挨拶
●日本ママ起業家大学 近藤 洋子様 ご挨拶
●JR東日本 常務取締役 中川 晴美 スペシャルトーク
●参加者同士の「大CrossTime」(Peerな共感を生みエンパワメントしあうワークショップ/リアル会場参加者のみ)
集合写真
PeerCross 2周年感謝祭 集合写真

2年間で累計約1万2,000名がマッチング! “Peerな共感”が生む変化を実感(サービス提案者・小西ご挨拶)

イベントの冒頭では、PeerCrossの起案者であり、この2年間サービスを育ててきたJR東日本マーケティング本部新規事業ユニットの小西 好美より、ご参加いただいた皆さまにご挨拶をいたしました。PeerCrossはこれまで、累計約6,000組・1万2,000名のマッチングを実現してきました。

「皆さまのおかげで、PeerCrossは無事2周年を迎えることができました。本当にありがとうございます!

この2年間でコミュニティとして大きく成長し、参画企業は現在、約40社にまで広がっています。さらに、2025年7月からはサービス利用者範囲を拡充し、ライフイベント前の女性を対象としたオプションサービス「&bloom」もスタートしました」
&bloom概要
2025年7月より開始したオプションサービス「&bloom」
PeerCrossオプションサービス「&bloom」
小西は「令和の時代になっても、なお多くの女性がキャリアや子育ての両立に悩みを抱えている」と語り、だからこそ女性同士の“共感と応援”が生まれるコミュニティの重要性を実感しているそう。

「まだまだ日本社会では、自分のキャリアや、育児と仕事の両立にモヤモヤを抱える女性がたくさんいると感じます。PeerCrossを開始してから、利用される皆さんの“Peerな共感”によって、キャリアに対する前向きなアクションや、劇的な変化をたくさん見てきました。これからも、社外の方同士で背中を押しあえる女性活躍のインフラとして、皆様のご協力も得ながら、PeerCrossの輪を広げていきたいと考えています」

女性が自分らしく生きる社会に向け、PeerCrossが一役買うと確信(日本ママ起業家大学・近藤様)

続いて、PeerCrossが実施するスペシャル座談会の企画・ファシリテーターを務める、日本ママ起業家大学学長の近藤 洋子様からご挨拶がありました。

「PeerCross設立2周年、おめでとうございます。PeerCrossの事務局とは2023年10月からのお付き合いですが、小西さんの『いろんな葛藤がありながらも、女性が主体的にキャリアを築いていくサポートがしたい』という思いに非常に共感したのを思い出します。

私は事務局の皆さんと座談会の内容を一緒に考える立場ですが、いつも『誰かのものでなく、自分のものさしで考えていくきっかけを作る!』ということを意識しています。PeerCrossはまだ始まって2年ですが、将来世の中から“ワーキングマザーの”といった枕詞が消えて、男女問わず誰もが自分の人生を大胆に生きられる社会になった時に、『思えば、そこにPeerCrossが貢献したんだな!』と振り返ることができそうなくらい、多くの人のポジティブな行動を引き出していると感じています」
近藤洋子様ご講演写真
日本ママ起業家大学学長の近藤 洋子様
近藤様×PeerCross事務局の対談記事

キャリアアップを通じて見える景色とは?(JR東日本 中川常務)

続いて、感謝祭のメインコンテンツ、JR東日本の中川 晴美常務取締役のスペシャルトークに進みます。中川常務も、2人のお子さんを育てながらキャリアアップを重ねてきたお一人。「皆さんへの応援メッセージ」と題し、これまでのご自身のご経験や、女性活躍への思いをお話しいただきました。
中川常務経歴

「決して順風満帆じゃなかった」

まず、中川常務はこれまでのキャリアを、ご自身のライフ・キャリアを含めたモチベーション曲線とセットで紹介してくれました。

「これまでのキャリアを話すと、『順風満帆ですね!』と言われることもありますが、全くそんなことはないんです。1人目の子どもの育休から復職した時は、子育てや家事、日々の仕事に加えて、昇進試験の勉強にも追われる日々でした。『これだけ努力してももし試験に落ちたら、もう会社を辞めよう……』と本気で考えたこともありました。また、保育園に預けるたびに子どもに泣かれて『一緒に会社に連れて行って!』とせがまれると、私まで涙が出てきていつも泣いていました。当時は結婚や出産を機に女性は退職するのが当たり前の時代。『こんな寂しい思いをさせてまで、母親が仕事を続けることで子どもにとって良いことはあるのだろうか』とずっと悩みながら仕事をしてきました。

特に第2子の育休から復職した後は、第1子の体調も不安定で、私自身もストレスで体調をくずし、なかなか仕事へのモチベーションが上がらない時期もありました。それでも、『辞めるのはいつでもできる。もう少しだけ頑張ってみよう』と続けているうちに、気づけばここまできていました」

悩みながらも、子育てに仕事に奔走してきた中川常務。そんな常務のマインドに変化が訪れたのは、やはりお子さんとのエピソードがきっかけだったと話します。

「管理職になった時、長女が『お母さん、課長さんおめでとう』といって、くす玉の下で嬉しそうに微笑むスーツ姿の私の絵を描いた手紙をくれたんです。それをもらった時に『仕事を続けてきて良かったんだ』と、それまでの迷いが吹っ切れたような気持ちになりました。
そこからはもう、とにかく『一人でも多くの社員が仕事と育児を両立しながら働き続けることのできる会社にしたい!』――と並々ならぬ熱い思いに駆られ、仕事に邁進しました。」
中川常務登壇写真
その頃、中川常務が任されたのが、本社人事部のダイバーシティ推進担当課長という役割。社会的にダイバーシティ推進の機運が高まり、JR東日本でも専任部署が設置されることになり、そのリーダーにアサインされました。ご自身にとって、これはすごく大きな転機だったと言います。

「これまでお世話になった方々に直接お返しはできなくても、これからの人のために全力を尽くすことが恩返しという“恩送り”の気持ちで、新しく両立支援制度を作ったり、事業所内保育所を立ち上げたりと、様々な施策を推進しました。
いまでこそ結婚・出産後も働き続けるのが当たり前の時代になりましたが、実は今も“マミーギルド”に悩む方は少なくないと聞きます。そんな皆さんには『母親が仕事を続けることで子どもにとっていいことはたくさんあるよ』と背中を押してあげたいです。」

「社外の女性たちと出会うこと」の価値

PeerCrossは、社外の方との出会いを通じて、自分のキャリアを前向きに見つめ直す機会を提供しています。中川常務自身も、社外の方との出会いでエンパワメントされた経験があると話します。

「管理職になってから参加した異業種交流研修は、すごく印象に残っています。多くの企業から集まったたくさんの管理職の女性たちがとてもいきいきとしていて、『世の中には、こんなに多くの輝きながら仕事をしている女性がいるんだ!』とすごくモチベーションが上がりました。

そこではたくさんの心に響く言葉やポジティブな考え方を教わりました。中には『ホコリじゃ死なない』なんていう言葉も(笑)。家事を完璧にしなきゃと思わず、できる範囲でやる。そんな割り切りのマインドも、こういった出会いを通じて学んだことの1つです」

キャリアアップしてこそ見える景色とは?

続いて、「キャリアアップすると、何がいいの?」という率直な問いへの考えを教えてくれました。

「『そこに立たなければわからない景色がある!』というのがキャリアアップの面白さだと思います。役職が上がってくると、それまで以上に情報も集まってきて、どんどん視野が広がります。私はいつも上の役職にアサインされるたびに『自分にはとても無理……』と思っていましたが、周囲に助けていただきながらもどうにかこうにか挑戦してみると、見える景色が段々と変わっていく。自分の成長を実感し、自身の思いを少しずつ形にできる喜びがあります」
大CrossTime写真①
スペシャルトーク後の大CrossTimeでは、中川常務が直接参加者の皆様の背中を押す場面もありました
そのような中でも、やはり社会的には女性のキャリアアップを阻むハンディがあると感じているそう。そのうちの1つが“アンコンシャスバイアス”だと話します。

「女性は自分の能力を低く見積もる傾向があると言われています。このような女性自身の、あるいは周囲からのアンコンシャスバイアスは、特に日本ではまだまだ根強いと感じています。では実際に女性は能力が低いのかというと、決してそんなことはありません。バイアスの影響で、様々な経験を積む機会が男性と比べて乏しくなってしまうなど、“作られた能力差”が生まれてしまうとも言われています。だからこそ、周りと比べて落ち込むのではなく、過去の自分と比べて『あの頃よりは成長したな!』と捉えるようにしています」

最後に、自分なりのリーダーシップの形を見つけていけばいい、という皆さんへの応援メッセージをいただきました。

「リーダーシップのスタイルは人それぞれ。無理に背伸びせずに自然体でいいんです。私の場合は 部下をプロとして敬い、力を発揮しやすいよう気遣い支える“お母さん型”のリーダーシップで行こう!と思っています。みんなの力を借りながら、みんなで進んでいく ――そんな考えを大切にしています」

どんな経験も前向きに捉えて、歩みを止めずに進むことで、その後の確かなキャリアにつながっていく。そんな姿勢を体現してきた中川常務の経験談は、参加者のエンパワメントにも繋がり、実際に「母親の経験がマネジメントに活かされている姿が素敵だと思った」などの感想が聞かれました。

自分と向き合い、前向きなモチベーションを持ち帰る機会に。今後のPeerCrossの発展にも期待!

その後リアル会場では、「大CrossTime」を開催。グループに分かれ、お互いに過去1年間のライフラインチャートを作成し、それをもとにPeerCross利用者同士で今後の目標について考え、共有し合いました。 PeerCrossらしい、Peerな会話ができるワークショップに設計し、盛り上がりました。
大CrossTime写真②
大CrossTimeの様子
​​中川常務のスペシャルトークをメインに、盛りだくさん​​の​​内容で開催されたPeerCross 2周年感謝祭。当日の参加者からは、「社内外のワーキングマザーと対話することの重要性を改めて感じた」「さらにワークもライフも頑張れる気持ちになった!」などの前向きな感想がたくさん寄せられ、有意義なイベントになりました。​


​​PeerCrossはまだ2周年。これからもワーキングマザーのキャリア支援を通じて、一人ひとりが自分らしいキャリアを築ける未来に向け、さらなる広がりを期待します!今後の展開にもぜひご注目ください。
感謝祭の感想はこちらからチェック!
もっと詳しく知りたい方はこちら:過去のPeerCross利用者インタビューもチェック!

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