公共交通機関で巡る！東北観光2泊3日おすすめモデルコース（秋田・岩手・宮城）

東北地方は豊かな自然と歴史的な名所が点在しており、観光客にとって見どころが満載です。今回は、宮城・岩手・秋田を巡る3日間のモデルコースをご提案します。新幹線やバスを使って、効率よく観光地を回りながら、各地の文化や風景を楽しんでいただけるルートです。東北の歴史的建造物や美しい自然景観、郷土料理に触れることで、地域ごとの魅力をしっかりと味わいましょう。旅行計画を立てる際の参考にしていただければ幸いです。

1日目のスタートは「JR仙台駅」から。東京駅から東北・秋田新幹線を利用して約1時間30分というアクセスの良さも魅力です。バタバタしがちな出発の朝、少し余裕を持って家を出られるのも嬉しいポイント。

JR仙台駅に着いたら必ず訪れたいのが「仙台城跡（青葉山公園）」です。仙台藩初代藩主・伊達政宗によって造営された仙台城は、標高約130mのお城で、約270年の間、伊達氏代々の居城、また仙台藩の政庁とされていました。徳川家康の警戒を避けるため、あえて天守閣は設けなかったことでも知られています。

現在、城そのものは消失してしまっており見られませんが、その跡地として残る「石垣」や「脇櫓（わきやぐら）」などを鑑賞できます。仙台城跡のシンボル「伊達政宗公騎馬像」は、記念撮影スポットとしてもおすすめです。

城跡一帯は「青葉山公園」として解放されており、広瀬川や青葉山の豊かな自然に囲まれた居心地のよい公園となっています。園内には、仙台市博物館や茶室、魯迅の碑など歴史や伝統に触れられるスポットが多数あるほか、仙台市内や太平洋を一望できる本丸跡もあります。天下統一の野望に燃えた伊達政宗に思いを馳せながら、園内をゆっくり散策してみましょう。

【住所】宮城県仙台市青葉区川内1
【アクセス】JR仙台駅からバスで約26分、「仙台城跡」下車

仙台城跡からバスで約35分の場所にある「仙台大観音」は、観音像として日本一の高さを誇る巨大仏像です。仙台市制100周年を記念して1991年に創建された比較的新しい仏像で、全長は100mです。21世紀の繁栄を願って、地下方向にも21mの深さまで掘られているのが特徴です。

青空をバックに見上げる真っ白で大きな観音様は、まさに圧巻。その大きさと存在感は、初めて見る人なら誰もが驚くことでしょう。観音様は外側から鑑賞するだけでなく、胎内を見学することも可能です。台座にある入口は“龍”をイメージしたデザインになっているのも見どころ。正面から見ると、観音様が龍に乗っているように見えるように作られています。

胎内へ入ったら、エレベーターで最上階へ。展望窓からは、仙台市内と太平洋を一望できる絶景を楽しめます。観音像の裏手にある「油掛大黒天」は、縁結びにご利益があるとして人気を集めるスポットです。こちらも、あわせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

【住所】宮城県仙台市泉区実沢中山南31-36
【アクセス】JR仙台駅からJR仙山線で6分、北仙台駅下車。北仙台駅からバスで18分、「仙台大観音前」下車徒歩2分

「仙台大観音」からバスと徒歩で約40分でJR仙台駅へ。そこから東北・秋田新幹線で約40分で岩手県・盛岡市の「JR盛岡駅」へ。

JR盛岡駅からバスと徒歩で約11分の場所にある「岩手銀行赤レンガ館」は、赤レンガ造りのレトロな外観が特徴で、国の重要文化財にも登録されている建築物です。東京駅を設計したことで知られる辰野金吾・葛西萬司建築事務所の設計で建てられました。辰野金吾氏が設計した建築としては、東北地方で唯一現存している作品でもあります。

1911年に盛岡銀行本店として建てられ、100年余り銀行として使われたのち、2016年に多目的ホール、盛岡の産業・商業を紹介するライブラリー・ラウンジを備える施設として再度オープンしました。レトロな建築を楽しみながら、盛岡の歴史を学べる施設になっています。

【住所】岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
【アクセス】JR盛岡駅からバスで約10分、「盛岡バスセンター」下車 徒歩1分

2日目は盛岡からスタートし、秋田新幹線「こまち」で秋田県へ向かいます。

JR盛岡駅からJR角館駅までは、秋田新幹線「こまち」で約45分。江戸情緒あふれる武家屋敷と桜並木で知られる角館エリアを巡ります。

JR角館駅から徒歩で約20分の場所にある「武家屋敷通り（ぶけやしきどおり）」。江戸時代に栄えた城下町で、半径2kmほどのエリア内に武家屋敷など、江戸時代の面影を感じられる建物が多く現存しています。

国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、なかには現在も住居として使われているお屋敷もあります。「小田野家」「河原田家」「岩橋家」「松本家」「青柳家」「石黒家」など、見学できる武家屋敷も多くあるので、一つひとつ巡りながら散策するのもおすすめです（所要時間は1時間30分〜2時間ほど）。 江戸情緒ただよう街並みは、日本国内はもちろん海外の観光客からも好評。桜の時期はもちろん、新緑や紅葉など季節によって違った魅力を感じられるのも、人気を集める理由のひとつです。

周辺には着物をレンタルできるお店もあるので、着物を着て武家屋敷巡りをすれば、より“江戸気分”を味わえそう。人力車での散策もおすすめです。 駅前にある観光情報センター「角館駅前蔵」では、散策マップやパンフレットを配布しているので、そちらを参考に散策するのもよいでしょう。

【住所】秋田県仙北市角館町
【アクセス】JR角館駅から徒歩約20分

「武家屋敷通り」の散策を終えたら、歩いて約12分の場所にある「安藤醸造 本店」を訪れてみましょう。「安藤醸造 本店」は、嘉永6年（1853年）創業以来170年以上続く老舗醸造店です。これまで培ってきた技術を受け継ぎながらも、時代に合わせて進化してきた“秋田の味”は、地元の人々のみならず全国で愛され続けています。

店内では、自社専用農場の米と県内産の大豆・小麦を原料とした天然醸造の味噌や醤油をはじめ、だし、寒こうじ、漬物やあまざけなどを販売しています。本店の文庫蔵では味噌・醤油・漬物を試食できるので、お気に入りの味を見つけましょう。

本店の建物にも注目です。1883年に再建して以来そのままの姿を残す貴重な建築の中でも、煉瓦造りの蔵は東北地方で最古のものであり、仙北市指定有形文化財にも登録されています。煉瓦蔵の中にある「蔵座敷」は一般公開もしているので、ぜひお買い物とあわせて見学してみてください。

【住所】秋田県仙北市角館町下新町27
【アクセス】JR角館駅から徒歩約13分

「安藤醸造 本店」からJR秋田駅までは、徒歩と秋田新幹線「こまち」で約1時間。2日目の夜は、秋田駅近辺で過ごしましょう。

夕食は、秋田名物「きりたんぽ鍋」がおすすめです。「きりたんぽ」とは秋田の郷土料理で、炊き上げたご飯をすり潰し串に巻き付けて焼いたもので、味噌をつけて食べたり、野菜やきのこ、鶏肉を入れた鍋料理にしたりするのが定番です。

JR秋田駅から徒歩約2分の場所にある「秋田きりたんぽ屋 本店」は、ご当地グルメ「きりたんぽ」のほか、秋田ならではの食材やお酒が多く揃うお店です。趣のある古民家風の店内は、マタギ（狩人）の家をイメージした内装が特徴です。

おすすめメニューは、お店自慢の比内地鶏スープを使用した「昔ながらのきりたんぽ鍋」。比内地鶏やモツ、せりなどの具材がたっぷり入った贅沢なお鍋です。そのほか、江戸時代から秋田で食べられている「ハタハタのしょっつる鍋」や、マタギが食べていた味噌仕立ての元祖きりたんぽ鍋「マタギのきりたんぽ鍋」など、秋田でしか食べられない珍しい鍋や、郷土料理「とんぶり」「燻りガッコ」などもラインナップ。思う存分、秋田の味覚を味わいましょう。お酒好きな方は、秋田県内36軒の酒蔵から直接仕入れたこだわりの地酒もおすすめ。

【住所】秋田県秋田市中通2-7-6緑屋ビル1F
【アクセス】JR秋田駅から徒歩約2分

3日目はJR秋田駅からスタートします。

JR秋田駅から歩いて約10分の場所にある「千秋公園（せんしゅうこうえん）」は、久保田城跡にある市立公園です。秋田市指定名勝にも指定されており、園内の日本庭園では、桜やツツジ、藤、紅葉など、四季それぞれの美しい景色と江戸時代から続く趣のある雰囲気を楽しめます。

久保田藩主佐竹氏の居城として建てられた「久保田城」。園内には、当時の名残である「お堀」や「二の丸」のほか、あきた芸術劇場ミルハスや秋田市立中央図書館明徳館、秋田市文化創造館、秋田市立佐竹史料館も併設されているので、ゆったりと散策しながら歴史や文化に触れてみましょう。

散策の際には園内にある「八幡秋田神社」にも足を運んでください。鳩が神様のお使いとされていることから、神社内にはかわいい「鳩みくじ」もあります。結ぶと鳩の形になるユニークな見た目が人気を集めています。

【住所】秋田県秋田市千秋公園1
【アクセス】JR秋田駅から徒歩約10分

帰りの新幹線に乗る前には、お土産屋さんへ立ち寄るのを忘れずに。JR秋田駅の2階にある「おみやげ処こまち苑」なら、新幹線の乗車時間までゆっくりとお土産選びが楽しめます。店内には、秋田の名産品、お菓子、工芸品、お酒など、幅広いお土産が揃うので、友人や職場、家族へのお土産はもちろん、自分用のお土産や帰りの新幹線で食べるお菓子やお酒も購入しておきましょう。

【住所】秋田県秋田市中通7-1-2
【アクセス】JR秋田駅内 2F

秋田・岩手・宮城への東北観光は秋田新幹線「こまち」がおすすめです。東京駅から乗り換えなく秋田の主要スポットへアクセスできるほか、天候にも左右されにくいのもメリットです。東京駅で購入した駅弁やお菓子を食べながら、旅行の計画を練りつつ新幹線の旅を楽しみましょう。大人の方はお酒を飲みながらゆったりと過ごすのもおすすめです。

秋田新幹線「こまち」は東京駅から平日は1時間に1本、土日祝日は1時間に1〜2本運行されています。時間の調整がしやすいのもいいところです。JRの予約サイト「えきねっと」を使えば、24時間どこからでも座席の予約が可能です。

座席の予約も「えきねっと」がオススメです。「えきねっと」なら、駅の窓口や券売機に並ぶことなく、ご乗車日1ヶ月前＋1週間前（同曜日）の14時00分から「事前受付」が可能です。支払いや乗車券の受け取りもWebやアプリでできるので、忙しい方にもぴったりです。
ぜひ「えきねっと」で座席を予約・購入し、素敵な東北の旅をお楽しみください。

東北地方は魅力的な観光スポットが多い一方で、移動に時間がかかるため効率よく回るのが難しいエリアでもあります。そこで、今回は長期間のお休みを取らなくても、車なしで2泊3日で東北旅行を楽しめるモデルコースを紹介しました。

県をまたぐ移動には、秋田新幹線「こまち」を利用することで、よりスムーズに旅行できます。

紹介した観光スポットの中から自分好みの場所をセレクトして、アレンジしてみるのもおすすめです。友人や家族と話し合いながら、とっておきの東北観光プランを計画してみましょう。