更新日: 2024年11月20日

ふるさと納税は医療費控除と併用できる?申請で気を付けたい注意点を解説します!

医療費控除をする予定でふるさと納税も考えている人の中には、併用して制度を利用できるのか疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。この記事ではふるさと納税と医療費控除の併用に関しての疑問点について徹底解説します。ふるさと納税と医療費控除について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ふるさと納税と医療費控除ってどんな制度?

疑問を表現したアイコン
ふるさと納税と医療費控除はどのような制度なのでしょうか。
ふるさと納税と医療費控除の併用を検討されている方は、各制度についてしっかりと理解しておく必要があります。

2つの制度について理解しておくことで、どちらの制度を利用する場合にも困ることなく利用可能ですので、各制度のポイントを踏まえ押さえておきましょう。

■ふるさと納税とは

ふるさと納税返礼品制度
ふるさと納税は、応援したいと思う都道府県および市区町村などの自治体に対し、寄付する制度のこと。応援したい自治体に寄付することで、そのお礼として返礼品がもらえるケースが多いです。

ふるさと納税が人気な理由は、その返礼品で地域の特産品をもらえるからです。
返礼品は、寄付してもらった自治体が納税してくれた人に対しお礼として送る品であり、肉や魚、米などジャンルはさまざま。

返礼品を選ぶ方法は人によって異なりますが、ふるさと納税をお得に楽しみたいと思っている方は、高い還元率の返礼品を選択するのがおすすめです。
また、返礼品がもらえるだけでなく、応援したい自治体に寄付し、寄付した金額を居住する地方自治体に申告すれば、寄付金額における一部を、本来であれば納める必要のある税金から控除できます。
ふるさと納税の仕組みを図解で解説

■医療費控除とは

医療費控除イメージ
病気を患ったり、事故に遭ったりして病院に行き、高額の医療費を支払った際には、重い負担が家計にかかってしまいます。このような際に、家計の負担を少しでも減らす方法で有効なのが医療費控除制度です。

医療費控除は、1年間で一定額以上の医療費を支払った場合、確定申告することによって住民税が軽減できたり、所得税の還付が受けられたりする制度です。

住民税は、通常であれば税務署から所得税に係る確定申告情報が各自治体に送られるため、自分で何か手続きをする必要はありません。
医療費控除を適用した年度における住民税で、納める税金が少なくなります。

所得税においては、確定申告の際に所得控除額として支払った医療費を基準に算出した金額を、給料所得および事業所得から控除します。
医療費控除を使えば、所得税が課せられる所得金額を減らせるため、納める所得税額が少なくできます。

ふるさと納税と医療費控除を併用するときの注意点

注意を示す人
ふるさと納税と医療費控除を併用したいと思われている方は、併用時にいくつか注意する点があります。
併用するときの注意点について理解していないと、ふるさと納税を利用した際に想像と異なる部分が発生してしまうため、しっかりと理解しておくことが大切です。

とくにこの後紹介する注意点は、非常に重要なポイントですので確実に押さえておいてください。

■注意点①ワンストップ特例制度が使えなくなる
ふるさと納税と医療費控除を併用した場合、ワンストップ特例制度が使えなくなるため注意が必要です。ワンストップ特例制度は、確定申告せずに寄附金額の控除が受けられる制度のこと。

ワンストップ特例制度を使うには、以下の条件を満たしている必要があります。

・1年間に寄附した自治体が5つ以内
・確定申告する必要がない給与所得者

医療費控除を使いたい場合、確定申告により申請する必要があり、確定申告しないワンストップ特例が使えなくなります。

すでにワンストップ特例を申請していた場合でも、確定申告をすると無効になってしまうため注意しましょう。

■注意点②ふるさと納税の控除限度額が少なくなる
医療費控除を適用する場合、ふるさと納税での控除限度額が少なくなってしまうため注意が必要です。

ふるさと納税で控除できる金額は、所得を基準に算出されます。

医療費控除を受けた場合、所得から金額が引かれるため、所得税額が少なくなりふるさと納税で控除できる限度額にも影響するからです。
限度額以上の金額を自治体に寄付した場合、超えた分の金額は控除対象外となり自分で負担する必要があります。

併用したい場合は、医療費控除を十分考慮した上で、上限金額のシミュレーションを行いましょう。

ふるさと納税と医療費控除の併用についてよくある質問

Q&Aの画像
ここでは、ふるさと納税と医療費控除の併用について、よくある質問を2つ紹介します。

併用しようとする方は多いものの、実際に併用に失敗してしまった場合の対処法、医療費控除以外でふるさと納税と併用できる控除があるのかといった質問が多いです。

ここでは、その中でもよくある質問について解説します。

■ふるさと納税と医療費控除の併用で失敗したときはどうしたらいい?

ワンストップ特例制度の申請後に、1年間における医療費が10万円以上だったと分かった場合、確定申告により医療費控除を申請します。
この場合、ワンストップ特例制度を申請した後に確定申告したことで、すでに申請していたワンストップ特例は無効となり、ふるさと納税の控除は受けられません。

このようなケースの場合は、申告期限の3月15日までに寄付金控除を追加した確定申告書を再提出する必要があります。
万が一再提出が3月15日を過ぎてしまう場合は、「更正の請求書」を税務署に提出してください。更正の請求に関しては、申告期限から5年までであれば請求可能です。

また、寄付手続きがすでに済んでいる場合は、寄付を取り消すことはできません。
そのため、医療費控除を考慮せずにふるさと納税を行った場合、自己負担金額が増える場合があるので注意が必要です。

たとえば、当初のふるさと納税の控除限度額が5万2,000円で、上限金額を寄付した場合で考えてみましょう。

医療費控除を申請すると課税所得額が少なくなり、控除限度額が5万円となった場合は税額控除の金額も4万8,000円分に減少します。本来ふるさと納税で上限金額まで寄付をしていた場合の自己負担額は2000円です。
しかし、すでに医療費控除前の上限金額である5万2,000円を寄付していると、5万2,000円から4万8,000円を引いた4,000円を自分で負担することになります。

ふるさと納税をする前に、医療費控除を受けることで控除限度額が変わるかを事前に確認しておいたり、控除限度額に余裕を持った金額に留めたりといった考慮が必要です。

■医療費控除以外でふるさと納税と併用できる控除はある?

医療費控除以外にも、住宅ローン控除やiDeCoと併用ができます。

住宅ローン控除の場合、初年度のみ確定申告する必要がありますが、2年目以降からは会社員であれば年末調整により処理が可能です。

また、iDeCoとも併用でき、すべての積立金額が控除できます。ただし、iDeCoで所得控除がなされるので控除上限額が減ってしまう点に注意しましょう。

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