更新日: 2026年03月30日

東急電鉄とPeerCrossが取り組む 女性社員のキャリアを広げるワークショップとは?

東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)では、女性社員のキャリア支援を強化するため、社外のワーキングマザーとつながれる、ワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス「PeerCross(ピアクロス)」を導入しています。その一環として、この度、社内の女性社員を対象に「自分のキャリアを考える」ワークショップをPeerCrossと共同で実施しました。

キャリアを広げるワークショップ

ワークショップでは、ライフラインチャートを用いて自身のこれまでの歩みを可視化。また、仲間との対話を通じて、自分のやりたいことを言語化しました。その結果、「悩んでいるのは私だけじゃない」という安心感が一歩踏み出す自信に変わり、前向きな視点への変化が生まれています。
そこで今回、事務局としてワークショップを仕掛けた城村聖香さん、入江孝彦さん、宮嵜朋美さん。そして、参加者である丸橋優花さんに直撃インタビュー。ワークショップに込めた想い、ワークショップを経て起きた変化や気づきについて、お話を伺いました。
ワークショップ集合写真
ワークショップ集合写真
ワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス「PeerCross」(ピアクロス)

社内だけでは見つからない 「ロールパーツ」を外の世界に求めて

ーー東急電鉄さんでは、2024年9月からPeerCrossを導入されていますね。導入するに至った背景やきっかけを教えてください。

城村: 弊社は女性社員が少なく、今後のキャリアやワークライフバランスを考える際、身近にロールモデルとなる人が少ないという課題がありました。他社の方と交流することで、境遇の近い方の「良い点」をロールパーツとして発見する機会になればと考えました。
また、お悩みを共有することで、自身のキャリアを前向きに考えるきっかけにしてもらうことも目的としています。現在は20名ほどが登録して利用しています。
城村さん
経営戦略部 労務ES課 城村 聖香さん
ーー導入から約1年以上経ちますが、事務局から見て参加者に変化はありましたか。

城村:参加者からは「自分の考え方が広がった」「他社を知ったことで、自社の制度の充実さに気づけた」といったポジティブなコメントも届いています。多様な働き方を知ってほしいという思いがありましたので、嬉しいですね。
また、私自身も座談会に参加してみましたが、社外のワーキングマザーの方々のリアルな困りごとや他社の取り組みを知る貴重な機会だと感じました。これらは、今の部署での制度作りや施策を考える上で、机上の空論ではない、現場の声に基づいた参考にできると感じています。

入江: 弊社の女性従業員数は約300名ですが、部門によっては自職場に1人しか女性がいない職場もあります。「身近に相談相手やロールパーツが見つけられない」という弊社の状況を踏まえ、外部の力をお借りしようと考えました。自分も実際に他社の人事担当者の方との座談会に参加しましたが、異業種の方々とのコミュニケーションから得られる気づきは大きいですね。
自社と他社の「当たり前」の違いを知ることができるという、非常に新鮮な環境を提供できていると感じます。
入江さん
経営戦略部 労務ES課 入江 孝彦さん
ーー宮嵜さんは、事務局でありながら参加者としても積極的に利用されていたと伺いました。どのように感じましたか。

宮嵜: 私は座談会を中心に、興味のあるテーマを選んで参加してみました。各社のダイバーシティ担当者が集まるものや、たとえば「宿泊勤務との両立」といった現場向けのものまで、幅広くあります。
これまでは、当社が遅れているのではないかと不安に思っていた部分もありましたが、各社さんも同じ悩みを持ちながら試行錯誤していると知り、励まされました。先行事例の課題も事前に聞けるため、新しい取り組みをする際の後押しになっています。
社内で新しいことを始めようとすると、経営陣からも「他社の状況は?」と問われることも多いので、PeerCrossで得た知見やつながりを活かして、社内のダイバーシティ推進に繋げていきたいと考えています。
宮嵜さん
経営戦略部 労務ES課 宮嵜 朋美さん
ーーでは、参加者である丸橋さんにもお聞きしましょう。どのような期待を持って参加されたのでしょうか。

丸橋:私自身は、職場に同じ境遇の人はいたものの、数も少ないですし、もっと柔軟な働き方や考えを知りたいという思いがありました。
実際に、オンラインで何名かの方と1on1を行いました。実際にお話ししてみると、鉄道業界特有の共通の悩みもあれば、他業種の方からの新たな気づきもあり、普段話す機会がない方と交流できるのがとても良い機会になっていると感じています。
丸橋さん
運輸部 運輸計画課 丸橋 優花さん

「悩む」を「動く」に変える。 キャリアの可能性を再定義するワークショップ

ーーそうした中、社内の女性社員向けに、PeerCross 事務局と共同で、キャリア支援のワークショップを実施されたと伺いました。経緯を教えていただけますか。

城村:弊社は2024年10月1日に「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン方針」を発信しました。同年に方針の周知と理解促進を目的として、上司・監督者層および女性社員へ向け研修を実施し、アンケートを収集したのですが、女性社員から「他部署との交流がしたい」「将来のキャリアイメージがわかない」という声が多く寄せられたことがきっかけです。これに応える形で、公募により集まった50名ほどの女性を対象に、ワークショップを組み込んだ研修を2回実施しました。

ーーどのようなワークショップだったのでしょうか。

入江: 知られていない社内の制度説明に加え、実際に育児と仕事を両立していたり、キャリアに前向きに取り組んでいたりする先輩社員の体験談を共有してもらい、その上で自身のワークとキャリアを考えてもらいました。
また、ライフラインチャート(これまでの経験やキャリア)を書いて、それをみんなで共有し、具体的なアクションを考えて発表するなどを行いました。
これまで、現場ではキャリア意識が高まりきっていないと感じていました。育児との両立についても「前向きに頑張る」というより「負担をどう軽減するか」といった考えに留まってしまっている状況でした。
だからこそ、ライフラインチャートで過去を振り返り、これからの自分の立ち位置を考えることで、マインドを前向きにセットしてほしいという意図がありました。

ーー今回は、PeerCrossと共同でワークショップを開催されたそうですが、PeerCrossと一緒にやるからこそできたことはありますか。
城村: ご依頼することで、メリットがあったと感じています。社内だけで進めてしまうと視点が狭まる懸念がありました。 そこに社内だけでは得られにくい社外の視点が入ることで、客観的な情報を取り入れることができます。
PeerCrossはJR東日本様が運営しているということもあり、同じ業界としてのノウハウが十分に蓄積されており、より高い説得力が生まれました。参加者自身も、自分たちと遠くない環境の話として、自分事として捉えながら研修を受けていただけたと考えています。
また、ワークショップの構成や資料の準備など、幅広くご相談させていただきました。これらをすべて社内だけで進めるとなると多大な時間と労力がかかってしまいます。その負担を軽減できたことも非常に大きなメリットでした。

ーー丸橋さんは、実際にワークショップに参加されたとのことですが、感想を教えてください。
丸橋: ライフラインチャートを書いてみて、自分のモチベーションが上がる時、下がる時を改めて客観視できました。私はプライベートが充実していると仕事も頑張れるタイプだとわかり、ライフ面を充実させる大切さに気づけたことが大きかったです。
また、同じグループにライフイベント前の女性がいて、その方は自職場に女性がいないようで「社内にこんなに女性がいたんですね」と驚いていました。私のライフラインチャートを共有したことで、今後の働き方のイメージを持ってもらえたようで嬉しかったですね。改めて貴重な場だったと感じています。

ーーワークショップを経て、変化や気づきはありましたか。
丸橋: 仕事と育児に追われていると、「自分だけが大変だ」と思いがちですが、皆さんそれぞれに同様な悩みがあることがわかり、「自分だけじゃないんだ」と感じています。
また、これはPeerCrossの利用においてもそうですが、悩みを抱えながらも、その中でも輝いている方に共通するところは「悩む」だけで終わらず、資格の勉強をしたり外部サービスを活用したりと、何かしら「行動」を起こしていることに気づきました。行動を起こすことで人生を進められると知れたのも収穫でした。

ワークショップ
ワークショップの様子

現場の熱量を「一歩目」だけで終わらせない 全社的なダイバーシティのうねりへ

ーー丸橋さんからも有意義だったというコメントがありましたが、改めて、事務局の立場から、ワークショップでの反応や印象的だったシーンを教えてください。

城村: アンケートでは、約90%が今後の働き方を考えるきっかけになったと回答してくれました。「自己理解を深めるきっかけになった」「アクションが明確になった」など、ポジティブな声も寄せられました。
また、グループディスカッションの際も、私たちが促すことなくスムーズに話が進んでいましたし、横のつながりもできたようです。「今後の働き方を考えるきっかけにしたい」という狙いは実現できたかなと感じますね。

ーーいいですね! 今後、どのようにこの動きを広げていきたいと考えていますか。みなさんそれぞれ教えてください。

入江:女性社員が活躍する環境づくりを進めていくことはもちろん重要ですし、そのためにもまずは「ちゃんと前向きにキャリアを加える従業員を増やしていく」ということが大事なんじゃないかなと。また、女性に限らず全社的にこうした取り組みを展開できると良いなと思いますね。
宮嵜:仕事をするにあたって何か制約があるという社員は一定数いますので、そういった方々が活躍できるための選択肢として、いろいろな制度をつくれたらと考えています。
また、それを自分自身で選択する、自分の意思で選ぶということを、まずは達成したいですね。「自分が何を目指したいか」とか「どんな働き方をしたいか」ということを考えた上で、主体的に自分のキャリアを自分で選び取るというような流れが定着できれば嬉しいなと考えています。

その一つのきっかけがPeerCrossのマッチングや座談会であり、そして今回のワークショップだったかなと思います。
城村:当時私が現場で働いていた頃、やはり会社の制度について知らない人が多かったように思います。だからこそ、制度を知ってもらい、自ら制度を活用してキャリアを切り開くといった積極的な社員を増やしていけたら。また、上司の方々にも自分ごと化できるようなアプローチを続けていきたいなと考えています。
丸橋: 私は、働きながら子育てをする身として、まずは自分自身が後に続く若い女性社員に背中を見せられるモデルになりたいと思っています。「仕事と子育ては両立できる」ということを示していきたいですね。必死になりすぎて「あんな風になりたくない」と思われないよう、ライフの方も充実させて、楽しく働く姿を見せていきたいです。

ーー素敵ですね。今後のさらなる取り組みとご活躍を期待しています。ありがとうございました!

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