小川町駅『武州めん本店』のワイルドな太麺＆具たくさんな「きのこ肉汁うどん」！

埼玉のうどん文化を切り口に、地域の魅力を全国へ届けるYouTubeチャンネル「埼玉うどん子TV」の武正倫が、『武州めん本店』の人気メニュー「きのこ肉汁うどん」を実食し、その魅力とおいしさをリアルにお届けします！

東武鉄道東上線に揺られて、終点の小川町駅へ。最短ルートなら、駅からお店までは徒歩10分以内で到着します。
秩父往還の宿場町として商業が栄え、和紙や酒造など伝統産業が根付く小川町には、老舗が多くありますが、「武州めん」もそのひとつ。創業は明治43年（1910）、100年を超える歴史を誇る、町自慢の製麺屋さんです。
もともとは乾麺の製造を中心に営んできましたが、生麺を提供する手打ちうどん店を構えたのは約30年前。試行錯誤を重ねながら麺と向き合い続け、今も地元で愛されるうどんをつくり続けています。

【店舗名】武州めん本店
【住所】〒355-0321 埼玉県比企郡小川町小川500-1
【営業時間】平日11:00～14:15、土･日曜･祝日11:00～14:50
【定休日】不定休

グランドメニューを見て、まず目に飛び込んでくるのが、埼玉名物「肉汁うどん」。そのほか3種類のきのこが入ったきのこ肉汁うどんや、温かいつゆで楽しむ野菜天付かけうどん、特製カレーうどんも気になる存在。どれを食べたらよいか目移りするメニューがずらりと並びます。
麺の量は並・中・特の3段階で、それぞれ300g、600g、900g。つけ汁タイプであれば450グラムにも変更可能です。噛み応え十分、満足感の高い一杯だからこそ、食べたい量に合わせて柔軟に対応してくれるのは嬉しいところ。
かたい麺が特徴ではありますが、麺はやわらかめにしてもらうこともできるので、好みに合わせてオーダーできます。裏面には八割そばも載っていたので、「年越しそばを武州めんで。」という地元の方も多いのでしょう。

今回頼んだのは「きのこ肉汁うどん」。中盛りでも麺の量はなんと600グラム！大きな器に盛られているので一見控えめに見えますが、箸で持ち上げるとそのボリューム感に驚かされます。表面はつやっとしていながらもワイルドな太麺が、どっさりと山になっていて、迫力満点です。
つけ汁の中には、たっぷりのきのこ、豚肉、長ネギ、油揚げが。これぞ田舎のごちそう！といった風格が漂っています。
一口食べると、力強い噛み応えを感じる、ごりごりの太麺。具材の旨味がぎゅっと濃縮された、濃いつけ汁をかたい麺といっしょに頬張れば、自然と笑みがこぼれる味わいです。「お腹いっぱい食べていってね」と、器からやさしいメッセージが伝わってくるかのようです。

パワフルな味わいで満足感もいっぱいな「きのこ肉汁うどん」。お腹いっぱいになる幸せを感じてみてください！

奮発してうどんのおともにしたいのが、大海老天と自家製きんぴら。
見た瞬間にテンションが上がる、主役級の大きさを見せる大海老天は、衣さっくさく、中身はぶりんぶりん。器の上でどーんと存在感を放っています。
きんぴらごぼうは、辛さは控えめで、しっかり効いたかえしの旨味と、しゃきしゃき食感がいい一品です。素朴だけれど、食卓にあるとほっとするような味わい。うどんだけでも十分満足なのに、この魅力的なサイドメニューで、ごちそう感がましましです。

きのこ肉汁うどんのほかにも、以前にいただいた「旨辛ごま肉汁うどん」も、忘れられない一杯です。
器の中は具材がぎっしり。大きめにカットされた油揚げがごろごろと入り、その上から白ごまときざみねぎがたっぷりとかかっています。見た目からして食欲をそそる、迫力あるビジュアルです。
別皿には「食べるラー油」が添えられていて、まずはそのまま、辛そうなつゆをひと口。メニューに「辛くなけりゃ意味がねぇ！」と書かれている通り、キレのある旨辛テイストです。
途中から食べるラー油を投入すると、にんにくとラー油のコクが重なり、旨辛の極みに変身！最後までおいしい実力派の一杯です。

武州めんの味は、小川町だけではありません。川越市にある「あぐれっしゅ川越」でもいただくことができます。
「みぞれ肉茄子汁うどん」は、具だくさんのつけ汁に大根おろしと生姜がたっぷり。そこに、豪快な豚肉ととろっとした揚げ茄子が加わり、武州めんらしいパンチのある一杯に仕上がっています。一緒にいただいた川越芋のさつまいも天は、お菓子のように甘く、「川越で芋を食べられる幸せ」を感じるひと口でした。

【店舗名】武州めん あぐれっしゅ川越
【住所】〒350-0853 埼玉県川越市城下町45-3
【営業時間】11:00～14:00※麺がなくなり次第終了
【定休日】第3水曜（祝日の場合営業）

代々続く製麺屋として、地元・小川町の食文化を支えてきたお二人の笑顔からは、うどんづくりへの誇りと、地域への愛情がにじみ出ていました。
武州めんのうどんには、単に「おいしい」を超えた、ふるさとへの想いがぎゅっと詰まっています。武州めんに訪れた際は、ぜひ店主さんとの会話も楽しんでみてください！

「武州めん」と同じく小川町が誇る老舗の「晴雲酒造」さんは明治35年（1902）の創業。
駐車場の横にそびえ立つのは、晴雲酒造のシンボルでもあるレンガの煙突。歴史を宿す圧倒的な存在感に、思わず身が引き締まります。
売店の中に入ると、試飲専用の機械がずらり。スタッフさんから無料のコインをいただき、落ち着いた空間で少しずつお酒を楽しむことができます。
どのお酒も飲みやすく、ついつい「もう一杯…」と進んでしまうラインナップ。武州めんの力強いうどんでお腹を満たし、晴雲酒造で地酒を味わう。小川町ならではの贅沢な組み合わせです。うどん好きの方はもちろん、お酒好き、街歩きが好きな方も、この機会にぜひ小川町の空気を味わってみてください！


【施設名】晴雲酒造
【住所】〒355-0328 埼玉県比企郡小川町大塚178-2
【営業時間】9:00～17:00 ※年末年始は短縮営業
【定休日】1月1日

JR東日本大宮支社、東武鉄道、西武鉄道、秩父鉄道がタッグを組み、電車に乗って、埼玉県内のうどん店を巡り、食べて、観光を楽しむスタンプラリーを2026年3月1日まで開催中。
秩父・北部エリア、東部エリア、西部エリア、中央エリアの4つのエリアに分け、武正さんがこだわりのうどん店舗をセレクト！各エリアの対象店舗をめぐってスタンプを全て集めたら「エリア賞」、25店舗全てのスタンプを集めたら「コンプリート賞」をプレゼントします。
線路がつなぐ、埼玉うどんの旅にでかけよう！

「埼玉うどん子TV」は、埼玉のうどん文化を切り口に、地域の魅力を全国へ届けるYouTubeチャンネル。駅から公共交通機関と徒歩でうどん店を訪ね、道中の風景やまちの空気感も含めて紹介するスタイルが特徴です。
これまでに200軒以上の埼玉県のうどん店をめぐり、チャンネル登録者数は7万人を超えました。郷土愛を込めた動画を通して、埼玉の食と人の温かさを感じていただけたら嬉しいです。
「埼玉うどん子TV」の武正倫は、現在は加須市観光大使としても活動中。イベントや商品開発などにも取り組みながら、うどんを軸に埼玉の魅力を伝え続けています。

小川町で100年以上の歴史を重ねてきた『武州めん本店』のうどんは、地元の食を支えてきた誇りを感じさせる、パワーみなぎる一杯です。
2026年3月1日まで開催の「電車でめグルメぐる 埼玉うっどーん！スタンプラリー」の対象店でもあるので、埼玉県のうどん巡りのコースにぜひ加えてみてくださいね！

取材・文/武正倫（埼玉うどん子TV）