奥羽本線(山形線)に新型E723系5000代を導入します｜快適性と安全性向上へ

JR東日本は奥羽本線（山形線）に新型車両「E723系5000代」を導入します。
新造車両数は22両（2両編成×11本）で、営業開始は2026年度秋頃を予定しています。投入予定区間は福島〜新庄間です。今回の導入は、安全性、安定性、快適性を向上させることを目的としており、地域輸送の品質向上を図るための重要な施策です。

新型車両は外観デザインにおいて、奥羽本線（山形線）で既に使用されている701系5500代や719系5000代の色彩を踏襲しています。ステンレス製の車体を採用し、2両編成（1M1T）で運行されます。最高速度は110km/hを想定しており、地域輸送の実用性と快適性を両立させた設計です。

新型E723系5000代は、全車両にフリースペースを設け、車いすやベビーカーをご利用のお客さまにも配慮した設計になっています。さらに電動車いす対応の洋式トイレを配置し、車内設備のバリアフリー化を推進します。これにより、身体の不自由なお客さまや子育て世代など幅広い利用者層が、より安心して利用できる車両となります。座席についてはロングシートの座席幅を拡大し、長時間の移動でも快適に過ごせるよう工夫されています。

フリースペースは各号車に配置され、荷物や車いす、ベビーカーの設置がしやすいレイアウトです。
座席幅の拡大は具体的には従来の車両よりも余裕を持たせ、混雑時でも座る際の窮屈さを軽減します。これにより通勤通学だけでなく観光利用にも適した環境を提供します。
加えて、車内の案内表示や導線設計も含めて、利用者中心の設計が反映されています。

新型E723系5000代の各客室には防犯カメラと非常通話装置を設置し、車内の安全性を高めます。車両側面にはカメラを搭載し、乗務員が運転室から乗降を確認できる機能を持たせることで、ワンマン運転への対応力も確保します。

これらの機器は緊急時の対応や日常の安全確認に寄与し、乗客の安心感向上につながる設計要素です。また制御方式にはVVVFインバータ制御方式を採用し、従来方式に比べて消費電力量を削減します。エネルギー効率の改善は運行コストの低減につながるだけでなく、環境負荷低減の観点でも有益です。運行管理装置の搭載により、車両の状態監視や保守性の向上も期待できます。

E723系5000代は既存の701系5500代、719系5000代と比較していくつかの差異があります。
・定員：E723系は245名、701系は273名、719系は276名（ワンマン対応）です。
・車体寸法：E723系は全長19.50m、車体幅2.80m、全高3.62mとして設計されています。
・座席：E723系はロングシートで、座席幅は470mmと拡大されています。

これらの差異は運用形態や利用状況に合わせた最適化の結果であり、地域の実情に適合した車両設計です。
比較詳細は、JR東日本のニュースリリースをご覧ください。

E723系5000代は、フリースペースの複数配置や電動車いす対応トイレ、防犯カメラの設置など、利用者の多様性に応じた機能を強化しています。
また最高速度や走行線区の想定が従来車と同等レベルである一方、制御方式の刷新や座席幅の拡大といった改善点が利便性向上に寄与します。
これらの特徴は地域輸送のニーズに合わせたトータルな改良と言えます。

E723系5000代は2026年度秋頃から営業運転を予定しています。
E723系5000代導入にあたり、今後は製造工程の進捗確認や試運転、各種安全確認が実施され、必要に応じた運行準備や乗務員教育が行われます。正式な運行開始前には地域関係者や利用者への案内が行われる見込みです。