山の静けさ、雪の深さ、風の匂い。
新潟県の南端に広がるこの里山には、四季がくっきりと息づき、
アートと伝統、食と自然が交差する“もう一つの日本”が広がる。
春は棚田に空が映り、夏は祭りに心が跳ねる。
秋の風に染まる山々を抜け、冬には世界が静寂に包まれる。
ただ美しいだけではない。そこに人がいて、文化が続いている。
この地を歩けば、きっとまた来たくなる——。
そんな“二度目が待ち遠しいまち”、十日町市へ出かけてみよう。
更新日: 2025年09月08日
新潟県十日町市「また帰ってきたくなる場所」アートと里山をめぐる週末旅。
新潟県十日町市は、東京から新幹線を使うと2時間半で行くことのできる穴場。大地の芸術祭で知られるこの地域はアートだけじゃない、訪れないとわからない魅力があふれるまち。週末に少し時間が取れたら、少し足を延ばして出かけてみませんか。
イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」大地の芸術祭作品(画像提供:十日町市観光協会)
■新潟県十日町市
■緑の棚田に、あの雪の名残を探して
棚田(画像提供:十日町市観光協会)
力強く根を張り、青々とした稲が夏風に揺れる景色が広がる。越後松代棚田群 星峠の棚田は日本の原風景とも言えるスポットの一つだ。
降り注ぐ陽射しのもと、多くの人々を受け入れる星峠の棚田だが、冬は3メートルを超える雪に閉ざされる。冬を越えるという厳しさがあってこそ、この美しい風景があるのだと、静かに語りかけてくるようだ。
降り注ぐ陽射しのもと、多くの人々を受け入れる星峠の棚田だが、冬は3メートルを超える雪に閉ざされる。冬を越えるという厳しさがあってこそ、この美しい風景があるのだと、静かに語りかけてくるようだ。
■土の中で眠っていたアートが目を覚ますとき
イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」大地の芸術祭作品(画像提供:十日町市観光協会)
道路脇に突如現れる巨大なアート作品。誰もが知る美術館ではなく、山や田んぼのなかに、突然現れる現代アートの数々。初めて見るのに、なぜか懐かしい気持ちになる。
それは、作品に土地の記憶が織り込まれているからだろうか。夏の匂い、秋の収穫、冬の静けさ、春のぬかるみ。この土地に流れる季節の重みが、作品に深みを与えている。
アートは飾られるものではなく、暮らしの中で息づくもの。この地にアートが根付いている理由を、肌で感じてみよう。
▶︎ 大地の芸術祭の里・越後妻有
世界中のアーティストが参加する「大地の芸術祭」の作品群は、季節を問わず鑑賞可能。たとえば「家の記憶」や「絵本と木の実の美術館」などは、土地の暮らしや子どもたちとの関わりが作品に深みをもたらしている。訪れるたびに異なる表情を見せてくれるのも魅力のひとつだ。
それは、作品に土地の記憶が織り込まれているからだろうか。夏の匂い、秋の収穫、冬の静けさ、春のぬかるみ。この土地に流れる季節の重みが、作品に深みを与えている。
アートは飾られるものではなく、暮らしの中で息づくもの。この地にアートが根付いている理由を、肌で感じてみよう。
▶︎ 大地の芸術祭の里・越後妻有
世界中のアーティストが参加する「大地の芸術祭」の作品群は、季節を問わず鑑賞可能。たとえば「家の記憶」や「絵本と木の実の美術館」などは、土地の暮らしや子どもたちとの関わりが作品に深みをもたらしている。訪れるたびに異なる表情を見せてくれるのも魅力のひとつだ。
■「心で味わう、雪国のごちそう」
へぎそば(画像提供:十日町市観光協会)
四角い木の器に、美しく盛られたそばが並ぶ。ひとくちすすると、コシのある食感と、のど越しが暑い日に嬉しい。
雪国・十日町の食は、実に力強い。冬の保存食文化と、山の恵みを活かした調理法。手間も時間もかけて、暮らしに根付く味。
一度食べると故郷の味になる。「おかえり」と言われているようなどこか懐かしい気持ちになっていた。
▶︎ へぎそば
つなぎに布海苔(ふのり)を使った「へぎそば」は、十日町の名物グルメ。由屋は地元でも人気の高い老舗で、歯ごたえと喉越しのバランスが絶妙。
雪国・十日町の食は、実に力強い。冬の保存食文化と、山の恵みを活かした調理法。手間も時間もかけて、暮らしに根付く味。
一度食べると故郷の味になる。「おかえり」と言われているようなどこか懐かしい気持ちになっていた。
▶︎ へぎそば
つなぎに布海苔(ふのり)を使った「へぎそば」は、十日町の名物グルメ。由屋は地元でも人気の高い老舗で、歯ごたえと喉越しのバランスが絶妙。
■“また来たい”が“また帰りたい”に変わる場所
雪の家(画像提供:十日町市観光協会)
夏の青々とした景色が、白銀の世界に変わるなんて、想像できないだろう。それでもこの夏の景色の裏側には雪国のストーリーがある。
それはきっと、冬がつくってきた文化がこの町の基盤にあるからだろう。自然に抗わず、受け入れ、共に生きる。それが、十日町の本当の姿なのかもしれない。
あえて予定もいれず、何もない、ゆったりした時間を過ごす。そんな贅沢な時間を過ごしながら、別の季節に思いを馳せたい。
▶︎十日町市で暮すように滞在する宿
雪の家 古澤邸(新潟県十日町市安養寺乙170)
それはきっと、冬がつくってきた文化がこの町の基盤にあるからだろう。自然に抗わず、受け入れ、共に生きる。それが、十日町の本当の姿なのかもしれない。
あえて予定もいれず、何もない、ゆったりした時間を過ごす。そんな贅沢な時間を過ごしながら、別の季節に思いを馳せたい。
▶︎十日町市で暮すように滞在する宿
雪の家 古澤邸(新潟県十日町市安養寺乙170)
■ おわりに
緑に囲まれた美しい風景の中に、確かに“雪の記憶”が残っている。そして、アートや食、暮らしのひとつひとつが、冬の物語とつながっている。
この町は、四季を重ねるたびに、違う表情を見せてくれる。だから、何度でも訪れたくなる。夏の旅が、きっと冬への入口になる。
この町は、四季を重ねるたびに、違う表情を見せてくれる。だから、何度でも訪れたくなる。夏の旅が、きっと冬への入口になる。
アートと暮らし、心とけあう里山の旅(画像提供:十日町市観光協会)
※2025年8月現在の情報です。
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JREメディア編集部