豊かな漁場が広がる宇和海の恩恵を受け、漁業の町として知られる宇和島市には、じゃこ天という郷土の味があります。
江戸時代、仙台藩主・伊達政宗の長男であり宇和島藩初代藩主の伊達秀宗が、故郷を思い仙台から蒲鉾職人を呼んで作らせたことが、じゃこ天の始まりともいわれています。
更新日: 2025年02月14日
鮮魚の風味がジュワッと広がる、お殿様も愛した愛媛県宇和島のソウルフード。井上蒲鉾本舗の「じゃこ天」
宇和海から豊富な魚が獲れる愛媛県宇和島市では、むかしから魚の加工品づくりが盛ん。その代表的なものに、じゃこ天があります。
ホタルジャコなどの小魚を原料とした練り製品で、ビールのおともに、また食卓の一品に、老若男女に愛されています。
宇和島市内に店を構える井上蒲鉾本舗は、1960年の創業以来、宇和海で獲れる生の魚にこだわり、伝統製法でその風味を最大限生かしたじゃこ天を作り続けています。長年貫いてきた、鮮魚だからこそ伝わる本物のおいしさ。
その秘密をご紹介します。
愛媛が誇る郷土の味。「じゃこ天」は宇和島伊達家ゆかりの逸品
▲豊かな漁場が広がる宇和海(写真提供:宇和島市)
▲油で揚げられるじゃこ天
井上蒲鉾本舗の創業者・井上一博さんは、宇和島の市場に水揚げされる豊富な鮮魚に目を付け、市内の魚屋に5年間丁稚奉公した後、1960年に魚屋として独立創業しました。
そのかたわら、見よう見まねで魚のすり身を作って販売したところ、これが評判を呼んだそう。
やがて郷土に愛される「井上のじゃこ天」が誕生しました。
そのかたわら、見よう見まねで魚のすり身を作って販売したところ、これが評判を呼んだそう。
やがて郷土に愛される「井上のじゃこ天」が誕生しました。
生の魚を使うから風味が違う。それが井上蒲鉾本舗の矜持
▲宇和海で獲れた新鮮な魚を使用
「井上のじゃこ天」は、宇和海で獲れた鮮度の良いはらんぼ(ホタルジャコ)やぐちといった魚を材料としています。
魚屋から始まったこともあって原材料の仕入れには特に力を入れており、毎朝、職人自らが市場で鮮魚を目利き。
仕入れた魚は一匹ずつ包丁で下処理を施してから石臼ですりつぶし、すり身を作っています。
魚もすり身も鮮度が命!スピードと丁寧さが求められる工程を、熟練の職人が鮮やかな手つきで進めていきます。
魚屋から始まったこともあって原材料の仕入れには特に力を入れており、毎朝、職人自らが市場で鮮魚を目利き。
仕入れた魚は一匹ずつ包丁で下処理を施してから石臼ですりつぶし、すり身を作っています。
魚もすり身も鮮度が命!スピードと丁寧さが求められる工程を、熟練の職人が鮮やかな手つきで進めていきます。
▲熟練の職人によってすり身される
「季節によって、また日々材料となる魚は同じということがありません。それに合わせて調合や味付けをすることでお客様に満足していただけるじゃこ天づくりに努めています」と井上蒲鉾本舗の折原健一社長。
▲職人の手によって、じゃこ天の形に成形
すり身は、職人の手押し(木枠に入れたスリミを手で伸ばすことで手形が付きます)によって成形。
菜種油で揚げたじゃこ天は、そのままでもおいしく味わうことができます。
菜種油で揚げたじゃこ天は、そのままでもおいしく味わうことができます。
「今までで一番おいしい!」子どもたちの声が何よりの励みに
▲地元の子どもたちにも愛されるソウルフード
井上蒲鉾本舗では、宇和島市内の小学生の工場見学を受け入れています。
「出来立てのじゃこ天を食べた子どもたちが『今までで一番おいしい』『今度買いに行くよ』といった感想を言ってくれた時は心底嬉しい」と折原社長は話します。
地域の人々に愛されるソウルフードだからこそ、原材料価格の高騰が続くなかでも、できるだけ値上げをせずに踏ん張っているのです。
「出来立てのじゃこ天を食べた子どもたちが『今までで一番おいしい』『今度買いに行くよ』といった感想を言ってくれた時は心底嬉しい」と折原社長は話します。
地域の人々に愛されるソウルフードだからこそ、原材料価格の高騰が続くなかでも、できるだけ値上げをせずに踏ん張っているのです。
販売商品①「宇和島じゃこ天セット①」
▲かまぼこ、あげ巻 、じゃこ天が入ったセット
「宇和島じゃこ天セット①」は、人気のかまぼこ、あげ巻 、じゃこ天が入ったセットです。
エソのすり身を使ったあげ巻は、職人が一本ずつすり身を専用の包丁で巻き上げて成形した商品です。
エソのすり身を使ったあげ巻は、職人が一本ずつすり身を専用の包丁で巻き上げて成形した商品です。
▲1本ずつ丁寧に作られるあげ巻
2007年10月に「宇和島じゃこ天」という名前が特許庁の「地域団体商標」に登録されたことを機に、セットの名前にしたといいます。
お中元やお歳暮などのギフトにも喜ばれる、年間を通してお客様から指名の多いセットです。
お中元やお歳暮などのギフトにも喜ばれる、年間を通してお客様から指名の多いセットです。
販売商品②「おすすめセット」
▲かまぼこ、あげ巻、じゃこ天、身天、じゃこちくわ、身ちくわが入ったセット
「おすすめセット」はかまぼこ、あげ巻、じゃこ天、身天、じゃこちくわ、身ちくわが入ったセットです。
「いろいろな練り物を食べたい、食べていただきたい」というニーズに応えました。
「いろいろな練り物を食べたい、食べていただきたい」というニーズに応えました。
▲一本、一本、丁寧に作られるちくわ
▲一本ずつ手作業で焼かれるちくわ
じゃこちくわはじゃこ天に使うすり身を、身ちくわはかまぼこに使うすり身を一本ずつ手作業でステンレスの棒に巻き付けて焼き上げています。
※ただし、年末はちくわの製造をお休みしているため、ちくわのセットの取り扱いがない場合がございます。
※ただし、年末はちくわの製造をお休みしているため、ちくわのセットの取り扱いがない場合がございます。
職人が教える、じゃこ天のおすすめの召し上がり方
▲じゃこ天は少し温めるとより一層おいしく
まず何もつけずにそのまま味わってみてください。
しっかりとした食感と魚の風味を味わうことができるはずです。
またかまぼこには、マヨネーズが意外と合います。
じゃこ天は、トースターで少し温めて大根おろしを添えていただくと、より一層おいしく召し上がれます。
あげ巻はおでんの具にもおすすめです。
しっかりとした食感と魚の風味を味わうことができるはずです。
またかまぼこには、マヨネーズが意外と合います。
じゃこ天は、トースターで少し温めて大根おろしを添えていただくと、より一層おいしく召し上がれます。
あげ巻はおでんの具にもおすすめです。
本物の材料と昔ながらの製法にこだわった井上蒲鉾本舗の商品を、ぜひご賞味ください!
▲井上蒲鉾本舗本店
豊富な漁獲量を誇る宇和海ですが、近年は減少傾向にあり、すべて生の魚を使ってつくる井上蒲鉾本舗には厳しい状況になってきています。
ですが、目の前のお客様のため、「良い材料を使った、手作りの味」を貫く井上蒲鉾本舗の商品を、ぜひ一度ご賞味ください!
ですが、目の前のお客様のため、「良い材料を使った、手作りの味」を貫く井上蒲鉾本舗の商品を、ぜひ一度ご賞味ください!
写真提供:井上蒲鉾本舗
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JREメディア編集部