PeerCrossユーザーインタビュー♯5「“正解”は自分で見つけるしかない。自分なりの管理職像を描きたいと思えるようになった」

JR東日本グループの新事業創造プログラム「ON1000」から生まれたワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス、PeerCross。スタートからまもなく1年がたち、ユーザーの皆様の前向きなキャリア形成の後押しとなっています。
PeerCrossサービス利用を通し、変化を前向きに楽しんでいる、ユーザーインタビューをご紹介します。

「子育てをしながら、あの人と同じようにできるだろうか…」
仕事と育児を両立するワーキングマザーの中には、社内で活躍する人と自分を比べて悩むこともあるかもしれません。
「管理職試験に挑戦するようになってから、自分が管理職に求められる姿に合致するのか分からずモヤモヤしていた」と話す、株式会社ジェイアール東日本都市開発（以下、ジェイアール東日本都市開発）の浅野彩（あさの・あや）さんも、同じような悩みを抱えた一人でした。

３人のお子さんを育てながら、新規事業開発コンペにもチャレンジ中の浅野さんは、ワーキングマザー向けのキャリア形成支援サービス「PeerCross（ピアクロス）」で他社のワーキングマザーとつながったことで、自分に自信を持ち直し、「自分なりの正解を見つけたい」と思うようになったと話します。

「PeerCross」を通じて、浅野さんの視界はどのように変わっていったのでしょう。リアルなご経験談を伺いました。

■Profile
浅野彩さん | 株式会社ジェイアール東日本都市開発

2009年、新卒でジェイアール東日本都市開発に入社。以後、同社内の本社・支社等の各職場にて一貫して財務部門に携わる。その間、３回育休を取得。現在は９歳、７歳、３歳の子育てをしながら、本社財務部の係長を務めるのに加え、同社の新規事業提案社内コンペ「燈台」にて、各家庭に合わせた防災備蓄の一括管理を提案するサービスの新規事業開発にも取り組む。

※掲載の内容は2024年7月現在の情報です。

―浅野さんは、新卒でジェイアール東日本都市開発に入社され、16年目になると伺いました。改めてご経歴を教えてください。

2009年に入社し、ずっと財務分野で仕事をしてきました。途中に育休をはさみ、現在は３人の息子を育てつつ、本社財務部での業務に加え、社内新規事業プログラムの制度を活用し防災関連の新規事業開発にも取り組んでいます。

―新規事業とは、まさに新しい挑戦をされているタイミングなのですね。「PeerCross」は社外のワーキングマザーと繋がりを持てるサービスですが、利用のきっかけはなんだったのでしょう。

「PeerCross」を知ったのは、実はローンチ前の実証実験の時なんです。「子育て中の女性に、もう少しできることがあるんじゃないかな？」と話していた矢先「PeerCross」の存在を知り、「面白そう！」と思って。

実証実験中はちょうど第3子の出産・育休のタイミングであまり利用できなかったので、サービスとしてローンチされてから改めて利用しています。

―「面白そう！」と感じたとのことですが、どんな点を期待していたのでしょう。

まず、知らない人と１対１で話す機会ってなかなかないな、と。「PeerCross」はマッチングをした方とお話しする、言わばマッチングアプリです。私の世代では、今ほどマッチングアプリが浸透していなかったので、まずマッチングして会うという仕組みが新鮮でした（笑）。

あと、社外の方と話すことで新しい気づきがあるんじゃないかな、という期待もありました。似たような状況の人と話せるかもしれないとも思いましたし、もしかしたら自分の見本になるような方にも出会えて、今まで自分が言語化できなかった思いが言語化できるんじゃないかな…と。

―「言語化できなかった思い」というのは、浅野さんの中で、何か抱えていたモヤモヤがあったということでしょうか。

そうですね…数年前から管理職試験を受験しているのですが、その頃から改めて「管理職ってなんだろう？」と考えるようになったんです。

私は育児中で、働き方にある程度制限があります。融通を利かせられる範囲も限られるなか、「わたしの状況は、管理職に求められる姿に合っているのかな？」とモヤモヤしていたんですよね。

私と同じように働きながら子育てしている人の中には、もしかしたら同じような思いをしている人がいるんじゃないかと思って。社内には子育て中の女性管理職のロールモデルもまだ少ないので、何か見えるかもしれない、という期待がありました。

―「PeerCross」はお子さんの年齢の他、業務内容、キャリア思考などを見て話したい相手を選び、マッチングできます。どのように活用されたのでしょう。

１対１の面会では８人ほどお会いしました。オンラインがほとんどですが、境遇が似ていて、「これはリアルで話したいですね！」と盛り上がり、直接お会いした方もいます（笑）。最初は初めてお会いする方とちゃんとお話しできるか不安だったのですが、利用するにつれ「良い人ばかりで何も怖いことはない！」と思うようになりました。

―複数名で交流する座談会にも参加されたと伺いました。

座談会も面白いんです。まずテーマの幅が本当に広くて。「子ども部屋の片付けってどうしてる？」といったラフなテーマもあれば、大学の先生をお呼びして自分自身のキャリアにしっかりと向き合う機会もありました。

特徴的なのは、自分たちでも企画ができること。「こういうことやろうよ！」と呼びかけて、興味がある人が集まって開催できます。この間は「２人目について考えましょう」というテーマがあるのを見て、グッときましたね。友人同士でもなかなか話さないようなテーマでも話せるのは、まさに「PeerCross」ならではだと思います。

―なるほど。心理的安全性の高いコミュニティにもなっているんですね。

そうですね。皆さんワーキングマザーで境遇が似ているのはもちろんですが、会社単位で契約するサービスなので、どんな方がいらっしゃるのかある程度わかるのも、安心要素の１つだと思います。

―先ほど、ご自身の働き方と求められる管理職像との間でモヤモヤがあったとおっしゃいました。「PeerCross」を通じて社外の方と話すなかで、何かヒントは得られましたか？

はい、「具体的にどう動くかは自分次第だな」って、結論に近いものが得られたと思っています。

「PeerCross」を通じて複数の方とお話しする中で、「ワーキングマザーと言っても、働き方や環境はそれぞれが違う」と改めて実感して。管理職だって、それぞれのスタイルがあると思ったんです。「違っていいんだ！みんながここまでやってるからって、自分も無理してやらなくてもいいんじゃない？」と荷が降りたんですよね。

自分が見つけたものが、自分にとって「正しい答え」だし、自分で見つけるしかない！って。すごい背伸びしていたんだな、と気づきました。

―様々な方とお話しされたからこそ、そう思われるようになったんですね。

そうですね。「PeerCross」を通じて出会った皆さんの姿には、とても勇気づけられています。働く母として活躍しているたくさんの“実例”に出会い、「こんなふうにやってる人がいるんだ！」と、働き方の選択肢が広がったように思います。これまでは「働く母はこのくらいセーブしなきゃ」って、自分で枷を作ったり、バイアスを持っていたりしたのかもしれません。

あと、お会いした方から「新規事業にも挑戦しているなんてすごい！」と、刺激を受けたと言っていただくこともあって。私自身も他の方に影響を与えられているんだな、と感じられるのもモチベーションになっています。

―様々なメリットを感じていると思いますが、これから「PeerCross」を使ってみよう、と思っている方に、メッセージはありますか？

将来自分がどうなりたいかモヤモヤしている人には、「絶対使って！」と言いたいです（笑）。悩んでいる時には、いろんな人と話をすることでヒントが見えてくるはず。本当にみんないい人なので、怖がらずにどんどんマッチングしていただきたいです。

―最後に。今後の目標や目指したい姿をお聞かせいただけますか。

まずは、今取り組んでいる新規事業をローンチさせて、世の中に対して新しい価値を生み出すことが直近の目標です。

というのも、子どもたちに「お母さんすげえ」って言わせたいんです（笑）。以前子どもに仕事の話をした時、ぽろっと「お母さんの仕事ってつまんないね」と言われて。仕事内容がイメージしづらかったのかもしれませんが、「そんなことないよ！いつかすごいって言わせてあげるからね！」とその時から思っています。そのために、財務の仕事も新規事業も、どちらも成果を出していきたいんですよね。

あとは、やはり管理職を目指したいです。後に続く子たちに、「安心して結婚・出産して、管理職にもなれるんだ」と思って欲しい。私自身が足掻きながら管理職になる姿を見せることで、「私でもできたんだから、みんなもできるよ！」って伝えられたらと思っています。

―周りの方にポジティブな影響を与え続ける浅野さんの姿が目に浮かびます。今後のご活躍も楽しみにしています！

まとめ）

仕事と育児の両立に加え、新規サービスの事業化や管理職へのチャレンジなど、前向きに挑戦を続けている浅野さん。「自分なりの正解を見つければ良いと気づいた」と語る姿には、未来に向けた力がみなぎっていました。浅野さんが今後どんな「正解」にたどり着き、後輩にその姿を見せていかれるのか、とても楽しみです。


協力：株式会社ジェイアール東日本都市開発
インタビュー・文：大沼芙実子
提供：東日本旅客鉄道株式会社