JR東日本では、阪神淡路大震災(1995年1月)や新潟中越地震(2004年10月)などの発生を踏まえて、駅舎設備を中心に耐震補強施策を進めてきました。また、東日本大震災(2011年3月)の被災状況や首都圏直下型地震の影響なども考慮して、様々な地震対策を計画し、工事を進めています。
本記事ではさらなる耐震補強対策の取組みの1つであるホーム上家の耐震補強工事について紹介いたします。
更新日: 2026年06月10日
耐震補強で鉄道の安全を守る取り組みとは~大地震からお客さまを守るために~
JR東日本では、鉄道の安全・安定輸送を確保するため、駅舎や高架橋などに対する耐震補強工事を継続的に行っています。
今回は、大宮支社大宮建築設備技術センターが進める耐震補強工事に密着し、耐震補強の重要性について分かりやすくご紹介します。
本記事は、大宮建築設備技術センター監修のもと、2026年5月時点の内容を基に編集しています。
記事の作成にあたり、大宮統括センター所属の社員が取材を行っています。
耐震補強工事の推進
ホーム上家の耐震補強
ホーム上家の耐震補強工事は、以下の過程を経て実施されます。簡単な流れをご紹介いたします。
1.耐震診断(耐震性能を評価します)
2.耐震補強設計(診断結果を基に補強方法を検討し設計図を作成します)
3.耐震補強工事(設計図に基づき補強工事を実施します)
ホーム上家における耐震補強の施工には、方杖(柱上部に取り付けられる斜め方向に柱を支える部材)補強、柱脚補強、柱部材補強などが挙げられます。特に方杖補強については、工期と工事費削減を目的に溶接を必要としない工法が開発されており、上家耐震補強の推進につなげています。
耐震補強を行うことが鉄道の安全性を高め、災害時の被害軽減につながります。
1.耐震診断(耐震性能を評価します)
2.耐震補強設計(診断結果を基に補強方法を検討し設計図を作成します)
3.耐震補強工事(設計図に基づき補強工事を実施します)
ホーム上家における耐震補強の施工には、方杖(柱上部に取り付けられる斜め方向に柱を支える部材)補強、柱脚補強、柱部材補強などが挙げられます。特に方杖補強については、工期と工事費削減を目的に溶接を必要としない工法が開発されており、上家耐震補強の推進につなげています。
耐震補強を行うことが鉄道の安全性を高め、災害時の被害軽減につながります。
夜間作業の流れ
夜間の限られた時間帯で作業しているため、工期は駅の規模により1~5年程度を要します。
大宮建築設備技術センターでは、安全な施工ができるよう、進捗や現地状況を慎重に見極めながら工事を進めています。
大宮建築設備技術センターでは、安全な施工ができるよう、進捗や現地状況を慎重に見極めながら工事を進めています。
ホーム上家での耐震補強工事は、線路に近接した箇所にて工事となります。ホーム上で作業を行うため、お客さまと作業員の安全を確保しつつ、列車の安全運行に影響が出ないよう、基本的に夜間に作業します。
実際にどのような流れで作業しているのか、戸田公園駅での例を参考にご紹介いたします。
1.集合・朝礼(午前0:30頃)
作業員が現地に集合し、当日の工事内容や注意事項を確認します。
2.線路閉鎖手続き(午前0:45頃)
最終列車発車後、工事区間に列車が入らないよう「線路閉鎖」という手続きをとります。
3.工事(午前1:00頃)
線路閉鎖手続きを完了した後に作業を開始します。
作業できる時間は、終電通過後から始発列車の運転開始までのおおよそ3時間に限られており、この短い時間内で安全かつ確実に工事を行う必要があります。
柱の高い位置に補強用の部材を取り付ける場合、作業員が安全に作業できるように足場や作業用の床を一時的に設置します。
設置にあたっては、周囲の設備や構造物に接触したり、通行や設備の機能を妨げたりしないよう十分配慮します。
作業時間が限られていることから、このような足場は短時間で組立および撤去が可能なものを使用します。
これらの準備が整って初めて補強の作業に着手でき、補強用の部材が取り付き次第速やかに足場を解体して片付けます。
4.跡確認・線路閉鎖解除(午前4:00頃)
工具の置き忘れなどがないか確認し、線路閉鎖を解除します。
実際にどのような流れで作業しているのか、戸田公園駅での例を参考にご紹介いたします。
1.集合・朝礼(午前0:30頃)
作業員が現地に集合し、当日の工事内容や注意事項を確認します。
2.線路閉鎖手続き(午前0:45頃)
最終列車発車後、工事区間に列車が入らないよう「線路閉鎖」という手続きをとります。
3.工事(午前1:00頃)
線路閉鎖手続きを完了した後に作業を開始します。
作業できる時間は、終電通過後から始発列車の運転開始までのおおよそ3時間に限られており、この短い時間内で安全かつ確実に工事を行う必要があります。
柱の高い位置に補強用の部材を取り付ける場合、作業員が安全に作業できるように足場や作業用の床を一時的に設置します。
設置にあたっては、周囲の設備や構造物に接触したり、通行や設備の機能を妨げたりしないよう十分配慮します。
作業時間が限られていることから、このような足場は短時間で組立および撤去が可能なものを使用します。
これらの準備が整って初めて補強の作業に着手でき、補強用の部材が取り付き次第速やかに足場を解体して片付けます。
4.跡確認・線路閉鎖解除(午前4:00頃)
工具の置き忘れなどがないか確認し、線路閉鎖を解除します。
仮設物の設置
ホーム上家の耐震補強において、ホーム上にある柱の足元付近に補強材を設置して補強を行う場合があります。このような施工方法を、「柱脚補強」と言います。
柱脚補強工事をする際は、柱の足元周囲の舗装を一時的に撤去してL字の形状をした鋼材を配置します。この舗装の撤去ですが、夜間作業では一晩で終えることができないため、工事期間中はホーム上床面の不陸(床面が凸凹している状態)を解消するために養生を行います。
工事期間中は、駅構内に仮囲いスペースを設ける場合があります。これは次の理由によるものです。
柱脚補強工事をする際は、柱の足元周囲の舗装を一時的に撤去してL字の形状をした鋼材を配置します。この舗装の撤去ですが、夜間作業では一晩で終えることができないため、工事期間中はホーム上床面の不陸(床面が凸凹している状態)を解消するために養生を行います。
工事期間中は、駅構内に仮囲いスペースを設ける場合があります。これは次の理由によるものです。
耐震補強工事では、補強鋼材、足場材、施工機器類など、様々な関連道具が必要となりますが、長期間かつ夜間作業で行うためには、一時保管する仮置き場も必要になります。
そこでこの仮囲いスペース内に日中帯は仮置きしておくことで、都度資材の搬出入をする必要がなくなり、作業が効率化されるというメリットが得られます。
養生の実施や仮囲いスペースの設置は、耐震補強工事をスムーズに進めるために、重要な役割を担っています。
そこでこの仮囲いスペース内に日中帯は仮置きしておくことで、都度資材の搬出入をする必要がなくなり、作業が効率化されるというメリットが得られます。
養生の実施や仮囲いスペースの設置は、耐震補強工事をスムーズに進めるために、重要な役割を担っています。
安全性向上の取り組み
耐震補強工事は夜間に行われるため、お客さまが目にする機会は多くありません。
しかし大宮建築設備技術センターでは、鉄道の安全・安定輸送を守るため、工事中のトラブルを想定した大規模訓練などの取り組みを日々行っています。
工事期間中は駅舎内において、養生や仮囲いが設置される場合があります。お客さまにはご不便をおかけしますが、安全確保のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
巨大地震はいつ発生するか予測できませんが、被害を軽減するための準備はできます。近い将来には、首都直下型などの巨大地震の発生が想定されています。ホーム上家の耐震補強工事は、鉄道の安全・安定輸送を支える重要な取り組みです。
本記事を通じて、耐震補強工事が鉄道の安全に果たす役割を少しでも知っていただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
しかし大宮建築設備技術センターでは、鉄道の安全・安定輸送を守るため、工事中のトラブルを想定した大規模訓練などの取り組みを日々行っています。
工事期間中は駅舎内において、養生や仮囲いが設置される場合があります。お客さまにはご不便をおかけしますが、安全確保のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
巨大地震はいつ発生するか予測できませんが、被害を軽減するための準備はできます。近い将来には、首都直下型などの巨大地震の発生が想定されています。ホーム上家の耐震補強工事は、鉄道の安全・安定輸送を支える重要な取り組みです。
本記事を通じて、耐震補強工事が鉄道の安全に果たす役割を少しでも知っていただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。