更新日: 2025年09月11日

修学旅行の行先に東北が注目されている理由

修学旅行の新たな目的地として、今、東北が注目されています。東北の美しい自然や地域文化・歴史を生かした多彩な地域体験プログラムに加え、東日本大震災の教訓や学びを今に伝える震災伝承施設が各地に点在しており、ここでしか得られない、有意義な旅を実現できます。修学旅行におすすめの「東北だからこそ」のコンテンツやJR東日本が推進する「東北復興ツーリズム」をご紹介します。

みなさんにとって修学旅行とは

あなたにとって、学校生活で一番の思い出は何ですか?

教室での友達との会話、部活動で汗を流した日々、先生とのやりとり——どれもかけがえのない時間ですが、中でも「修学旅行」が思い出に残っている方も多いのではないでしょうか。

見慣れた教室を離れ、仲間とともに遠くの地へ旅する数日間。新しい景色に心を躍らせ、普段とは違う体験に胸を高鳴らせる、そんな特別な時間が、修学旅行には詰まっています。

「修学旅行」はぜひ東北へ!

関東圏の学校の修学旅行の定番の目的地は「京都・奈良」ではないでしょうか?
歴史的な建築物や文化財などが豊富な関西エリアは教育旅行の目的地として長く親しまれています。

しかし京都や奈良は、近年のインバウンド需要の増加にともなうオーバーツーリズムにより、修学旅行でも行程が組みにくくなっているという声もあがっているそうです。

その中で、現在修学旅行の目的地として注目を集めているのが「東北」です。

東北での「修学旅行」がおすすめな理由

東北エリアは京都・奈良と比較すると混雑が少なく、落ち着いた環境で学べるだけでなく、豊かな自然・地域文化を活かした体験学習が充実しています。
2018年に学習指導要領に加わった「探究学習」で求められる「問いを立て、情報を集め、考え、表現する力」を養うことに適しています。

東北における修学旅行で訪れるべき魅力的なコンテンツをご紹介します。

東北を代表する世界遺産「中尊寺」(岩手県)

中尊寺
黄金の輝きと平安の美に出会える、東北を代表する世界遺産「中尊寺」
奥州藤原氏によって建立された中尊寺は国宝・金色堂をはじめとする貴重な文化財が多数残されており、世界文化遺産にも登録されています。平安時代の仏教美術や政治・宗教とのつながりを学べます。

「わんこそば」で楽しい食体験(岩手県)

わんこそば
あなたは何杯食べられるか!?「わんこそば」で楽しい食体験
一口分のそばを次々に給仕される「わんこそば」の体験は、地域の「おもてなし」の心に触れることができます。地域の風土や人々の暮らしと深く結びつく食文化の体験は、探究学習の題材としても有効です。

日本三景のひとつ「松島」(宮城県)

松島
日本三景のひとつ、絶景の島々が織りなす癒しの海景、「松島」
松島は宮城県に位置する日本三景のひとつで、大小260余りの島々が織りなす美しい海の景観が特徴です。地理や環境学習に適しており、遊覧船での海上からの観察や、干潟・海岸でのフィールドワークでは、自然との関わりや保全の大切さを学ぶことができます。

防災・復興 東北で学ぶ「いのちの尊厳」

そして、東北だからこそ学べる内容として、東北には「防災・減災」、「復興」に関わるコンテンツが多数あります。。実際に、震災の教訓を学ぶことを目的に、修学旅行で東北に訪れる学校もあり、その様子はテレビでも紹介されています。
修学旅行で震災遺構に、福岡の高校生が震災の教訓学ぶ
エリアに数多くある震災伝承施設に実際に足を運び、復興の過程について学ぶことで、「今を生きる力」を育むことができます。

震災遺構仙台市立荒浜小学校(宮城県)

荒浜小学校
例として震災遺構仙台市立荒浜小学校をご紹介します。
震災遺構仙台市立荒浜小学校は、津波被害を受けた校舎を保存・公開している施設です。震災当日には、児童や教職員、住民ら約320人が避難し、命を守った場所でもあります。

校舎は被災当時の状態を極力残しており、1・2階では津波の爪痕を、4階では地震発生から避難の経過や地域の歴史を写真と映像で展示しています。屋上からは荒浜地区全体を見渡しながら、被災前後の風景を望めます。2017年に開設され、入館無料で、防災教育の拠点となっています。
震災遺構仙台市荒浜小学校〈公式HP〉はこちら

JRフルーツパーク仙台あらはま(宮城県)

JRフルーツパーク仙台あらはま 写真
提供:JRフルーツパーク仙台あらはま
震災遺構仙台市立荒浜小学校から徒歩圏内には、体験型観光農園「JRフルーツパーク仙台あらはま」があります。かつて人々が暮らし、田畑が広がっていたこの地を、もう一度「人々の笑い声と笑顔が集う場所」にしたいという想いから誕生したのが、この「JRフルーツパーク仙台あらはま」です。震災復興・地域連携、そして農業振興を目的としており、修学旅行に最適な「学び」と「楽しさ」を兼ね備えた施設です。

約11ヘクタールの敷地には、イチゴやリンゴ、イチジクなど8品目150品種以上の果物が栽培されており、1年を通して果物の収穫体験が可能です。併設の直売所「あらはまマルシェ」やカフェレストランでは、地元産の果物や野菜を使った料理や加工品が楽しめ、食を通じて地域の魅力を感じることができます。
JRフルーツパーク仙台あらはま〈公式HP〉はこちら
震災遺構仙台市荒浜小学校、JRフルーツパーク仙台あらはまは「修学旅行」の目的地としてはもちろん、先ほどご紹介した松島や「牛タン」「ずんだ」等のグルメを楽しむ仙台旅行の際にお立ち寄りいただくこともおすすめです。
きっぷの購入は「えきねっと」
列車・宿が一緒になった「ダイナミックレールパック」

東北復興ツーリズムの取り組み

「東北復興ツーリズム」はご存じですか?

東北復興ツーリズムは、被災地を訪れ、復興の歩みや地域の魅力を体感する旅です。整備が進む震災伝承施設で震災・復興学習を行うとともに、日本の原風景が残る多様な東北の魅力を訴求していくことで、交流人口の拡大を通じた被災地域の復興加速や地域活性化につなげることを目的にしています。

JR東日本は2023年に官民一体で東北復興ツーリズム推進ネットワークを設立しました。東北各地の皆さんや旅行会社と協力しながら、震災伝承施設を活用した防災・震災学習の機会を提供するとともに、東北ならではの美しい風景や文化の魅力を発信しています。教育旅行の訪問先として選択される東北、そして再度訪れたくなる東北を目指してさまざまな取り組みを進めています。
JR東日本 東北復興ツーリズム〈公式HP〉はこちら
〈ニュースリリース〉 東北復興ツーリズム推進にむけて

「東北まなび旅」では修学旅行の参考となるモデルコースを紹介

東北には、美しい風景や温泉、郷土料理など、旅人を魅了する観光地としての魅力が数多くあります。四季折々の自然が織りなす景色、地域ごとに異なる食文化、そして人々の温かさが、訪れる人の心を豊かにしてくれます。

さらに、東日本大震災からの復興の歩みをたどる「東北復興ツーリズム」は、東北を訪れる旅に深い意味を与えてくれます。被災地を実際に訪れ、語り部の話を聞いたり、震災遺構を見学したりすることで、災害の記憶と教訓を自分ごととして受け止めることができます。これは、単なる観光を超えた「学び」と「共感」の旅であり、地域と心を通わせる貴重な体験です。

「修学旅行の行き先に東北を検討したいけれど、たくさん魅力がありすぎて旅程を作るのが大変」とお思いの先生もご安心ください。「東北まなび旅」ページでは、多数のモデルコースをご紹介しております。
修学旅行でなくても学生時代を思い出し、学びを得られる旅へもう一度でかける、そんな「大人の修学旅行」の行き先としてもおすすめですよ。
「東北まなび旅」160を超えるモデルコース

さあ、東北の旅に出かけませんか?

震災から十数年が経った今も、東北のまちは前を向いて歩み続けています。その姿に触れることは、訪れる人にとっても大きな気づきと希望をもたらしてくれるでしょう。

列車に揺られながら、過去と現在、そして未来を感じる東北の旅へ――。次の目的地は、きっとあなたの心を動かします。さあ、今こそ、東北へ。

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