更新日: 2024年10月03日

企業版ふるさと納税とは?仕組みやメリットを完全解説!

企業版ふるさと納税とは、国の認定を受けた地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った際に、企業が法人関係税の税額控除が受けられる制度のこと。
企業版ふるさと納税には人材派遣型と呼ばれる形式もあり、寄付に加えて企業の人材を地方公共団体に派遣することで、地方創生活動の取組みの深度化や新たな事業展開の機会が生まれるなどのメリットがあります。
今回は、企業版ふるさと納税の仕組みや控除上限額の計算方法、企業側と地方公共団体側のメリットについて解説します。

企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税 寄付額イメージ
▲企業版ふるさと納税のイメージ
企業版ふるさと納税とは、国の認定を受けた地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合に、企業が法人関係税の税額控除が受けられる仕組みのことで、正式名称は「地方創生応援税制」といいます。

通常、企業が地方公共団体に寄付を行うと寄付額全額が損金算入されるため、税額に換算すると約3割の税金控除が受けられます。これに加え、企業版ふるさと納税では寄付額の最大6割の金額について法人関係税から控除を受けることができます。
つまり、通常の税金軽減と合わせて最大9割の寄付額について税金控除されることになり、実質的な企業の負担は約1割ほどになります。
企業が参入しやすいよう、企業版ふるさと納税の寄付下限額は10万円に設定されています。

企業版ふるさと納税のメリット

企業版ふるさと納税を利用するメリットは以下の通りです。

① 社会貢献企業としてCSRを推進・PRできる
寄付を行うことで、プロジェクトや地方公共団体のホームページなどに企業名が掲出される場合があります。IRやプレスリリース等で地域社会に貢献するCSRを行う企業としてPR効果が期待できます。

② 企業と地方公共団体で新たなパートナーシップ構築の機会が生まれる
企業版ふるさと納税により、寄付先の地方公共団体との継続的な連携・協力体制の構築が期待できます。地方創生プロジェクトの協業は、企業と地方公共団体とのより密なコミュニケーション機会創出につながります。

③ 地域資源を生かした企業の新たな事業展開を期待できる
地方創生プロジェクトの推進過程で、これまで埋もれていた地域の資源や地場産品の再発見・活用方法の見直しなど、新たな領域で事業展開を行うきっかけにつながるでしょう。

税額控除額の計算方法

企業版ふるさと納税控除額計算方法
企業版ふるさと納税の控除額うち、税額控除分については、下記のとおり法人住民税・法人税・法人事業税の税目ごとに控除額を計算します。

■法人住民税…下記のうち、いずれか小さい方
・寄付額の4割
・法人住民税法人税割額の20%

■法人税…下記のうち、いずれか小さい方
・寄付額の1割
・法人税額の5%
・法人住民税額で4割に達しない場合、その残額

■法人事業税…下記のうち、いずれか小さい方
・寄付額の2割
・法人事業税額の20%

これら法人住民税・法人税・法人事業税について合算した金額が企業版ふるさと納税の控除額のうち、税額控除分の金額となります。

企業版ふるさと納税(人材派遣型)とは

企業版ふるさと納税には、その仕組みを活用し専門知識やノウハウを持つ企業の人材を地方公共団体に派遣を送る「人材派遣型」の制度もあります。

企業側のメリットとしては、人件費を含んだ寄付を行うことで企業版ふるさと納税のメリットである寄付金額の約9割に相当する税を軽減できる点です。また、地方公共団体のプロジェクトに直接参画・実施に携わることで企業の地域貢献活動を広域的に行っていけるほか、貴重な人材育成の機会となります。

地方公共団体側のメリットは、人件費をかけることなく企業からノウハウを持つ人材を受け入れることができ、地方創生の取り組みをスピーディーに深度化することが期待できる点です。

個人が行うふるさと納税との違いは?

ふるさと納税返礼品イメージ
ふるさと納税といえば一個人として地方を応援することもできるふるさと納税。企業版ふるさと納税との違いは大きく3点ほどあります。

① 経済的利益を受け取ることができない
個人のふるさと納税の場合は、寄付金額の最大3割に相当する「返礼品」を受け取ることができます。返礼品には肉やお米、フルーツといった地域の特産品の他、ホテルの宿泊券や旅行券、施設利用券といったクーポンなども選ぶことができます。
企業版ふるさと納税では寄付の見返りとして補助金の授受や入札参加の約束といった経済的利益を受け取ることは禁止されています。
※適正なプロセスを経ての契約やHPへの企業名掲載などはこれに該当しません。

② 寄付額は1回あたり10万円から
個人が行うふるさと納税では寄付額の下限はありませんが、企業版ふるさと納税の場合は10万円以上の寄付が対象となります。

③ 寄付先は自治体ではなくプロジェクト単位
企業版ふるさと納税は、国から指定を受けた地方公共団体の「地方創生プロジェクト」への寄付が対象です。自治体への寄付ではないことに注意しましょう。

④ ワンストップ特例制度が使えない
控除申請に便利なワンストップ特例申請ですが、企業版ふるさと納税では利用できません。
確定申告にてお手続きを行ってください。

企業版ふるさと納税のQ&A

企業版ふるさと納税
企業版ふるさと納税に関するよくあるご質問をご紹介します。
Q.企業版ふるさと納税はいつまで続く?
A.企業版ふるさと納税は、令和6年度(2025年3月末)までの期間限定の特別措置となっています。
(令和2年に5年間に延長)
Q.一般的なふるさと納税のように返礼品はもらえるの?
A.企業版ふるさと納税では、地方公共団体から経済的な利益を受け取ることはできません。
ただし、HPや広報誌などでの紹介や公正なプロセスを経たうえでの契約を行うことは可能です。
Q.どの地方公共団体でも対象なの?
A.企業版ふるさと納税では、下記の地方公共団体は対象外となります。
・地方交付税不交付団体である東京都、三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村
・本社が所在する地方公共団体

個人のふるさと納税は「JRE MALLふるさと納税」で!

今回は企業が地方自治体へ寄付を行う「企業版ふるさと納税」について仕組みやメリットをご紹介しました。寄付を行う企業側にとっても、受け入れる地方自治体側にとっても企業版ふるさと納税を通じて様々な恩恵が受けられることが分かりましたね。

企業が行うふるさと納税以外にも、一個人として応援したい自治体に寄付をして返礼品を受け取れる通常のふるさと納税もあります。個人のふるさと納税であれば、控除上限額の範囲で寄付をすることで、所得税や住民税から控除を受けられ、実質自己負担2,000円で地域を応援しながら素敵な返礼品を受け取ることができます。
個人が行うふるさと納税の仕組みはこちら
JRE MALLふるさと納税
個人のふるさと納税は、JR東日本が運営する「JRE MALLふるさと納税」のご利用がおすすめです。
JRE MALLふるさと納税では、寄付額に応じてJRE POINTが貯まるほか、ビューカードでのお支払いの場合、いつでも最大3.5%ポイントが還元されます。
また、保有しているJRE POINTを使って寄付を行うことができ、その場合も寄付額に応じてポイントが付与されます。

返礼品情報だけでなく、JR東日本だからこそお届けできる地域の魅力やイベント情報なども発信していますので、ぜひご覧ください!
JRE POINTが貯まる使える「JRE MALLふるさと納税」はこちら
※掲載情報は2024年9月時点の情報です。
※詳細は内閣府の企業版ふるさと納税ホームページ等をご確認ください。

\ SNSでシェア /