【山形県】新庄まつりに行こう！ユネスコ無形文化遺産のお祭りの由来や見どころ、日程は？

新庄まつりとは、山形県新庄市で毎年8月24日、25日、26日の3日間にわたって開催される伝統的なお祭りです。各町内から出される豪華絢爛な山車や華やかな神輿渡御行列を目当てに、毎年多くの観光客が訪れます。

その起源は江戸時代の宝暦6年(1756年)までさかのぼります。宝暦5年(1755年)の大凶作で宝暦の飢饉が発生し、意気消沈している領民たちに活気と希望を持たせるとともに、豊作を祈願するために藩主である戸沢氏の氏神を祀った城内天満宮(現在の新庄天満神社)で「新祭」を行ったのが新庄まつりの由来だとされています。

当時は毎年の開催ではなく、参勤交代で江戸から藩主が戻ってきている年に実施されました。参勤交代は江戸と領地を1年ごとに移動するものですから、お祭りも隔年ごとに実施されました。史料によれば開始から20年後には山車が作られるようになったそうです。

幕末の戊辰戦争の影響でまつりは一時途絶えましたが、明治初期には復活。さらに太平洋戦争の中断を経て昭和21年(1946年)には再開し、昭和25年(1950年)に「新庄まつり」と名付けられました。

平成21年(2009年)3月11日、新庄まつりは「新庄まつりの山車行事」が国指定重要無形民俗文化財に指定され、平成28年(2016年)には、日本の「山・鉾・屋台行事」のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
なお、ユネスコ無形文化遺産は国指定重要無形民俗文化財に指定されている「山・鉾・屋台行事」の33件で構成されています。

それでは新庄まつりの見どころを解説していきましょう。
見どころといえばなんといっても新庄まつりの主役、豪華絢爛な「山車」。

新庄まつりでは山車を「やたい」と呼び、各町の「若連(わかれん)」という組織が町内単位で毎年山車を作ります。
山車の題材は能や歌舞伎、歴史物語や伝説など。等身大の人形を中心に据え、動物や山、館、花、波などを配して絢爛豪華なものに仕上げ、24日の宵まつりの夕方、山車が市中を練り歩きます。
山車の運行は、近隣の若衆が演奏する「囃子」や山車の安全を守る「舵取り」、チェレンコヤッサーとかけ声が勇ましい子どもたちの「ひき手」など多くの人に支えられています。

翌25日の本まつり、26日の後まつりにも山車が登場しますが、美しくライトアップされた幻想的な山車が見られるのは24日の宵まつりだけです。

新庄まつりのもうひとつの見どころが、25日の本まつりに行われる華やかな神輿渡御行列です。
神輿渡御とは、神社の神様が神輿に遷り、氏子達がそれをかついで氏子地域を巡行することです。

新庄まつりの場合は新庄天満神社のご神体が神輿に担がれ、市中の上手から下手へと地域内を巡行します。
人々の平安を守ってもらう行列とされており、担ぎ手にくわえ、多くの侍に扮した人々が神輿の警護につき、総勢約200名の行列が「下におろう」のかけ声とともに市内を巡ります。

参勤交代の大名行列を思わせる、江戸時代の人々に扮した行列はとても華やかです。
行列中は足軽による息の合った足さばき、傘廻しなどさまざまなパフォーマンスがあり、見どころ満載です。

最後にご紹介するのが「新庄まつり囃子」。山車の後方で囃子若連が演奏するもので、太鼓、笛、鉦（かね）、三味線の演奏者、計30人～40人で構成されています。

全4曲の曲目のうち、よく耳にするのが悠々としたメロディックな「宿渡(すくわたり)」とリズミカルで勇壮な「羯鼓(かっこ)」です。
ちなみに全て口伝かつ秘伝で、地域ごとに少しずつ異なっています。聞き比べてみるのがおすすめです。

【新庄まつり2024年の概要】
開催日：2024年8月24日(土)～26日(月)
会場：新庄駅～最上公園(新庄城址)周辺
・宵まつり(24日)：戸澤神社例大祭、奉納新庄囃子、新庄囃子合同演奏会、灯入式、宵まつり山車行列(全20台)
・本まつり(25日)：天満宮例大祭、まつり行列出発式、神輿渡御行列、本まつり山車行列(全20台)
・後まつり(26日)：護国神社例大祭、小若連囃子演奏大会、奉納　柔道大会、奉納　弓道大会、飾り山車(全20台)等
最寄り駅：新庄駅

【新庄まつり有料観覧席】
会場：新庄駅前ふれあい広場「アビエス」(新庄駅西口隣接)
販売開始：2024年7月1日(月)

新庄まつりに行く際には以下の駐車場をご利用ください

・新庄駅東口駐車場(約1000台)地図
・東山総合公園駐車場地図
※アビエス駐車場は、８月24日～26日利用できません。
※ゆめりあ北側駐車場は、８月23日～26日利用できません。

また無料シャトルバスも運行しています。(新庄駅東口⇔東山総合公園)
・24日 午後3時から午後9時30分(15分おきに随時運行)
・25日 午前9時から午後7時(15分おきに随時運行)
・26日 午前10時から午後3時(30分おきに随時運行)

新庄まつりの歴史や見どころ、概要をご紹介しました。
ユネスコ無形文化遺産に指定されている歴史あるおまつりにお出かけしてみてはいかがでしょうか。

新庄まつりが開催される最寄り駅であるJR新庄駅までは新幹線で行くことができます。新幹線のきっぷは簡単便利なえきねっとでの購入がおすすめです。
なお、例年新庄まつりに合わせた臨時列車を運行しますのでチェックしてみてください。