更新日: 2024年11月20日
「日光線 205系日光色」9年間の軌跡
2013年3月から約9年間、栃木県のローカル線「日光線」で活躍した205系日光色。通勤通学や観光地日光へ向かう観光客を運んだ205系の9年間軌跡を振り返ります。
日光線とは?
日光線は、栃木県の県庁所在地である宇都宮と国際観光都市の日光を結ぶ40.5kmの近郊路線で、1890年に開業した比較的歴史が長い路線。主な利用者層は、朝夕は日光市今市・鹿沼方面から宇都宮市内に向かう通勤・通学客であるほか、日中は日光に向かう外国人観光客が大半を占める。鹿沼から日光までの区間は、登り勾配が連続する区間となり、最大25‰の勾配も存在する。
205系日光色がデビューした経緯
1988年から日光線で運行していた107系がデビューから20年以上が経過し、老朽化が進行していたことから、新車投入ではなく京葉線で活躍していた205系を短編成化改造等をしたうえで日光線に2013年春にデビュー。
東京臨海部の主から日光の主へ
日光線に改造のうえ投入された205系600番台は、元々は京葉線で1990年から活躍していた車両で、東京都心と東京ディズニーリゾートや、幕張メッセなどのある幕張新都心の区間を走り、ベイタウンの通勤通学・観光客を輸送しました。
2013年春の日光線投入にあたり、寒冷地対応の改造や、空転対策としてセラジェット装置(砂撒き装置)の設置等が行われ、日光線で走るうえでの準備が行われました。
2013年春の日光線投入にあたり、寒冷地対応の改造や、空転対策としてセラジェット装置(砂撒き装置)の設置等が行われ、日光線で走るうえでの準備が行われました。
205系日光色デビューしかし、多難苦労な出来事が
2013年春に華々しくデビューした205系ですが、標高の高い日光に向かう日光線は、鹿沼から日光までの区間は、登り勾配が連続する区間となり、最大25‰の勾配も存在します。
線路沿いには、世界最長の並木道のギネス世界記録に登録されている江戸時代に植えられた日光杉並木があり、杉並木の油分を含んだ葉が秋の季節になると線路上に落葉し、日光線を駆け上る205系にたびたび空転を発生させてました。空転により、日光まで辿りつけず、運休となることも。
まさか、杉並木を植樹しようとした江戸時代の武将も、数百年の時を超えて、列車を止めることになるとは想像もしなかったのではないでしょうか。
線路沿いには、世界最長の並木道のギネス世界記録に登録されている江戸時代に植えられた日光杉並木があり、杉並木の油分を含んだ葉が秋の季節になると線路上に落葉し、日光線を駆け上る205系にたびたび空転を発生させてました。空転により、日光まで辿りつけず、運休となることも。
まさか、杉並木を植樹しようとした江戸時代の武将も、数百年の時を超えて、列車を止めることになるとは想像もしなかったのではないでしょうか。
日光線の安全・安定輸送の確保に臨む鉄道員(ぽっぽや)
空転による日光線の輸送障害を防止するべく、JR東日本の各系統の壁を越えた対応が行われました。
■ 車両保守部門
車両の検査修繕や落ち葉対策となる砂撒き装置等の更なる改造
■ 線路保守・土木部門
線路上の落葉の除去、関係機関と連携した線路沿いの杉の伐採
■ 乗務員部門
空転しにくい運転操縦
鉄道員(ぽっぽや)が試行錯誤を繰り返しながら、対策を行いました。
■ 車両保守部門
車両の検査修繕や落ち葉対策となる砂撒き装置等の更なる改造
■ 線路保守・土木部門
線路上の落葉の除去、関係機関と連携した線路沿いの杉の伐採
■ 乗務員部門
空転しにくい運転操縦
鉄道員(ぽっぽや)が試行錯誤を繰り返しながら、対策を行いました。
地域の足、観光客を運ぶ205系
JR東日本の空転対策の効果があり、順調に活躍する205系。
日光線の日中時間帯は、訪日外国人観光客の利用客が大半で、車窓から見える四季折々の風景や、日光連山や杉並木を楽しんでいる様子が見受けられた。2018年度の訪日外国人客数は、3,119万人となった。
日光線の日中時間帯は、訪日外国人観光客の利用客が大半で、車窓から見える四季折々の風景や、日光連山や杉並木を楽しんでいる様子が見受けられた。2018年度の訪日外国人客数は、3,119万人となった。
205系日光色に引退の時が
2013年にデビューした205系日光色。改造前のデビューから40年近くが経った2021年6月。JR東日本より、新型車両E131系により205系日光色を置き換えさせることが発表された。
この新型車両は、車内の快適性向上、お客さまへの情報提供の充実、バリアフリー化の推進
を図るとともに、ワンマン運転に対応した機器を搭載しております。また、モニタリング技術
を活用することで、安全性・安定性の向上を実現します。参照元:https://www.jreast.co.jp/press/2021/omiya/20210617_o05.pdf
205系日光色 お疲れさまでした
2022年3月。新型車両E131系に日光線での役目を譲り引退した205系日光色。
引退後は、長野県長野市内にある長野総合車両センターに回送され、廃車解体されました。
日光線の先輩車両である107系とゆっくりと休んでいるのではないでしょうか。
1990年のデビューから32年。京葉線そして、日光線で活躍した205系日光色。お疲れさまでした。
引退後は、長野県長野市内にある長野総合車両センターに回送され、廃車解体されました。
日光線の先輩車両である107系とゆっくりと休んでいるのではないでしょうか。
1990年のデビューから32年。京葉線そして、日光線で活躍した205系日光色。お疲れさまでした。
205系に思いを馳せて
JRE MALLでは205系グッズが販売されています。
懐かしい205系のグッズを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
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